« チーズ斧(?) | トップページ | Ritter Sport »

2006年5月10日 (水)

DDR (ドイツ民主共和国~東ドイツ) その5

東ドイツのテレビ

当時、友人から「東独フリーク」と言われてしまうくらい、東ドイツばかり旅行しておりました。前にも書きましたように、別に東ドイツにのめりこんでいたからではなく、行くたびに友人が出来てしまうからでした。西ドイツ人も人懐っこい人は多いですが、東ドイツ人の特に若い人は、外国人との交流に飢えていたような印象を受けました。西側の人々との接点が少なかったから当然ですよね。

先日も書きましたように、当時あちこちに黒縁メガネをかけたホーネッカー議長の写真が飾られておりました。ところが若い東ドイツ人たちは、「あんなの見なくていいからね。ありゃ詐欺師、ペテン師だよ。」

今でも印象に残っているのは、東ドイツのテレビです。西側に近い地域では西の放送を受信することが可能でした。(妨害電波などが出ていなかったのが不思議。)友人いわく、「東の人間は、西の番組しか見ないよ。せいぜい子供がSandmännchen (ザントメンヒェン:東ドイツの子供向けTV番組の人形。垢抜けていないのが、かえってカワイイ。「グッバイ、レーニン!」でも出てきましたね。噂によると、最近また人気が出てきたとか・・・ホントでしょうか?)を見るくらいかな。」

ところが私には東ドイツの番組がとても珍しく映りました。「グッバイ~」でも出てきたように、DDRのテレビのニュースったらウソっぱちばかり。ちょうどその日はアメリカの株価が大幅に下げた日でした。政府お抱えのコメンテーターが誇らしげに「ほら、私がかねてから言っていたように、いよいよ資本主義経済が崩壊を始めました~~~DDRバンザーイ」みたいなことを言っていました。翌日、株価はすぐに持ち直しましたが。その後、西ドイツに戻ってからしばらくして、かの有名なブラックマンデーが起きました。あのコメンテーターは さぞかし勝ち誇った様子でコメントしていたでしょうね。(見られなかったのが残念。)

また、サンフランシスコで大地震が起きたときも ちょうど東ドイツにおりました。そのときも同じコメンテーターが「ほれ見たことか~」と、不謹慎な内容をコメントしていたのを覚えています。そして橋が崩れて車を直撃する気の毒な映像をこれでもか、これでもかと垂れ流していました。

自由のありがたみ

1週間ほどの滞在を終えて西側に戻る日、毎回どの友人も駅で泣いてくれました。それは別れが悲しいからではなく、「あなたは国境を越えられるけど、私は越えられない」からでした。「自由な世界へ戻っていく人を見送ることほど辛いことはないのよ」と。監視と規制でがんじがらめの東ドイツの人たちが心から気の毒に思えたのを覚えています。ところが一方で、私は密かに安堵していました。友人たちと過ごした日々は楽しかったのですが、陰鬱で不便な東ドイツの日々は正直なところ、日本人の私には ちょっと苦しかったのです。 "Ich komme wieder~(また来るね~)!″と言いつつ、複雑な気持ちでした。

|
|

« チーズ斧(?) | トップページ | Ritter Sport »

「DDR(ドイツ民主共和国、旧東ドイツ)」カテゴリの記事

コメント

東ベルリン、ミッテに住んでいた(今でも)知り合いは、『西のTV受信はけっこう簡単だったんだよ』と言っていました。ラジオでも、TVでも、ベルリンは特に、簡単だったのではないかと思います。近いからこそ、でも不自由をより感じていたでしょうね・・。その話をしてくれた彼は、複雑な事情のある方で、日本人の方が、東独時代に東独にやってきて、ドイツ人と結婚して生まれた子どもだったので、よく子ども時代日本に行ったと行っていました。当時はかなりの特別待遇だったのだと思います。あの時代に、東独へ行く事を心した親のほうは、壁崩壊をどのような思いで御覧になったのか・・いつか聞いてみたいと思いつつ、簡単に話題にできるようなことではないので、なかなか口にできません。

投稿: kio | 2006年5月10日 (水) 01時33分

それから、ザンドメンヒェンが本国で流行しているか?ということですが、Ostalgie がはやった時(90年末〜02年くらい)けっこうグッズ色々出てました。今でもカードとかは人気ですよ。ベルリンではまだ東のプロダクトも手に入りますし。
面白いのは、旧東独のちいさな村とか行くと、逆に、トラビとか東のものってみかけないんです。ベルリンだと、それを見たい、という観光客がいるから、生き残れたのかなと。
トラビもけっこうまだ走ってますし。

そうそう、ザンドマンについて書いた(新聞記事の訳がメインですが。)、コンテンツもあります。URLのとこにリンクしておきますね。お仕事の合間にでも写真、楽しんで下さい♪
彼のヒゲの場所が気になります。童顔だけど実はおじいさんなのか??と・・。

投稿: kio | 2006年5月10日 (水) 01時38分

わたしは一時期、北朝鮮フリークでした。文庫本ばかりでしたが関連書籍を読み漁り、旅行記サイトをチェックしていました。いずれなにかの形にまとめたいと思っています。

投稿: なすび | 2006年5月10日 (水) 16時12分

kio さん、コメントありがとうございました~!なぜかリンクが飛ばないんですが(泣)、HPから入らせていただき、探し当てました。おおお、すばらしい記事ですね。感涙。しかもデータがすごい!私のブログの記事の中で紹介してよろしいでしょうか?コメント欄だと皆さんの目に触れない可能性もあるので・・・あまりにももったいない!先日の映画館の話と合わせて是非。そのうちAmpelmannのことも書こうと思ってます。もしかして、もう書かれてます?

投稿: ありちゅん | 2006年5月10日 (水) 18時12分

なすびさんは北朝鮮フリークだったんですね!まとめられましたら、是非拝見したいです。ネットを自在に操れる人ってスゴイな~と思います。

投稿: ありちゅん | 2006年5月10日 (水) 18時14分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« チーズ斧(?) | トップページ | Ritter Sport »