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2006年7月21日 (金)

習志野俘虜収容所 ある日のお献立 (その1)

「ドイツ兵士が見たニッポン」の著者「おそるべきアマチュア」様が快く了承してくださいましたので、当時の習志野収容所のメニューの一部を載せさせていただきました。す、す、すごい!ドイツ料理店も真っ青の豪華さ。本当かなぁ・・・?DDRのレストランみたいに、メニューは豪華だけど、いざ実際に頼むと「今日はもうおしまいです」って言われちゃったりして・・・。

詳しいレシピを載せたいのですが、時間の関係で後日。

Sonntag (日曜日):
Einlaufsuppe
Schweinebraten mit Bayrisch Kraut
Kartoffeln
Bananeneis

Hamburger Beefsteak mit Bohnensalat

******************************************

<ドイツ料理にお詳しい方は「なーんだ、知ってるよ~」と思われるでしょうが、ご存じない方のために ちょこっと解説の真似事を↓>

Einlaufsuppe(アインラウフ・ズッペ) は、「ドイツ風かき玉汁」とでも訳せばいいのでしょうか。これは、煮立てたブイヨンに、卵と小麦粉を水で溶いたものを落としたスープなので、当時も簡単に作れたでしょうね。

Schweinebraten(シュヴァイネ・ブラーテン) Schweinebraten_2 は、ドイツで最もポピュラーなお料理の一つだと思います。バイエルン料理とも言われるそうですが、全国で食べられているような気がします。南部ではSchweinsbraten(シュヴァインス・ブラーテン)と呼ぶそうです。豚の固まり肉をハーブ、香辛料とともにオーブンで焼いたもの。焼いている間、絶えず肉汁やビールを回しかけるのがコツだそうです。それにより、中はジュ~シ~、外はカリッとなるとか。焼きあがったらスライスします。オーブンのプレートにたまった肉汁はデンプンを加えてとろみをつけてソースに。収容所内でも比較的簡単に作れそうですが、ハーブとか香辛料は手に入ったのかな。Schweinebraten_2_1

つけ合わせのBayrisch Kraut (バイリッシュ・クラウト)は、極細の千切りにしたWeisskohl(キャベツ。日本のキャベツより肉厚だと思います)をベーコンやタマネギと共にラードでいため、砂糖・酢・塩を加えてブイヨンで蒸し煮にしたもの。Sauerkraut(ザウアークラウト)にも似ていますね。でも、塩漬けされていないキャベツを使うようです。

Kartoffeln は、もちろん「ジャガイモ」ですが、これだけでは調理法は不明。ただ茹でただけかなぁ~。こふき芋だったら Salzkartoffeln とか記載されるはずなんだけどなぁ。

Bananeneis(バナナアイス)・・・(@0@)!?「バナナ」は当時、高級品だったハズ。「いろはに金平糖、金平糖は甘い、甘いは砂糖・・・(中略)・・・高いはバナナ」というのがありますよね。昭和一桁生まれの父いわく「昔はバナナは超高級品だった・・・!」第一次大戦当時は相当高かったはず。ましてや冷凍技術なんて一般的じゃなかったですよね。驚きです。(余談ですが、DDRでもバナナは高級品でした。外貨不足でしたもんね。)

Hamburger Beefsteak (ハンブルガー・ビーフステーク)。これは別メニューでしょうか。ハンブルク風ビーフステーキは、ひき肉のハンバーグかと思いきや、キッチン辞典や手元にあるドイツ郷土料理の本によると、「茶色に炒めたタマネギの輪切りをのっけた牛肉のステーキ」とあります。味付けは塩コショウ。タマネギがお肉の臭みを消すんでしょうね。

つけ合わせのBohnensalat(ボーネン・ザラート)豆のサラダ。何の豆を使ったのか、これだけでは分かりません。一般的には、Weiße Bohnen(白いんげん豆)を茹でて、マヨネーズやマスタードであえたものだそうです。ちなみに、マヨネーズは収容所内で作られていたようですね。

(参考文献:Das neue Küchenlexikon、"So kocht Deutschland", Dr.Oetker Schulkochbuch)

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コメント

バナナアイス

おお、これいいですね。食べたい。。でも今日はずっと家にいておなかがすかないのでサラダだけにしようかと。

某所にも書きましたがZOP落ちました。なかなか受からないです。また2月にやります。

投稿: Auty | 2006年7月21日 (金) 20時00分

にわかには信じがたいメニューですね。レシピどおり完璧には作れなかったのではないでしょうか。でも、うまそうですね。
Autyさん試験残念でしたね。しかし気落ちなさらず、次回がんばってください。

投稿: なすび | 2006年7月21日 (金) 23時45分

>Autyさん
お疲れ様です。試験、残念でした。でもね、頑張ってると、きっといいことありますよ^^。・・・そう信じて私も頑張りたいのですが、だんだん体力が・・・

>なすびさん
そうですよね、このメニュー。戦時中、しかも収容所内の食事とは思えない豪華さ。こういったご馳走にありつけたのは幹部だけかも。ドイツの人は体格がいいから、日本食ではなかなか満足できなかったでしょうね。

投稿: ありちゅん | 2006年7月22日 (土) 00時11分

なすびさん、ありちゅんさん
ありがとうございます。またやります。
クラスメイトでも優秀な方は通っているので、私もここは我慢でまたがんばります。

しかし、美味しそうなドイツ料理ですね。。(^^)

投稿: Auty | 2006年7月22日 (土) 07時49分

ありちゅんさん、おはようございます。本当にこれ、収容所のメニューですか?バナナアイスというデザートまであるところがいいですね。ドイツの方の家に招かれたときにいつもスープにじゃがいもに肉にと食べたところでおなかいっぱいなのに、いつも最後にQuarkとかで作ったデザートが2種類くらいあって食べるか?ってきかれたのを思い出します。でもドイツ人はちゃーんとデザートまでたべるんですよね。だから体格ががっしりしてるかなあ、やっぱり。私も収容所じゃないならここで3食食べたいです。カルルの作ったパンも食べれるし。

投稿: みみ | 2006年7月22日 (土) 08時49分

香辛料は手に入っていたようです。「ディ・バラッケ」3巻と「どこにいようとそこがドイツだ」に1918年度の義援金の使途として詳細を載せているものがあります。義援金で香辛料や野菜・肉・ソーセージ・魚・牛乳・飼育用豚・・・など購入している他に「東京救援委員会の仲介による食糧調達」という項があり、
A.燻製品と脂(ベーコン、ハム、ラード、チーズ B.乾燥果実(梨、プラム、杏、林檎、桃) C.豆(グリンピース、インゲン豆) D.魚(サージン、鮭、塩にしん) E.香辛料(胡椒、肉桂、ケーパー、カレー、丁子、ローリエ、ナツメグ、ヴァニラ) F.その他(魚缶詰、マカロニ、コーヒー、ザウアークラウト)G.器具(レンジ五徳、料理用手斧)と記載されています。
救援委員会というのは、当時日本に住んでいるドイツ人、オーストリア・ハンガリー人などを中心に、元の仲間を支援するために東京・横浜・神戸で設立されていました。どこの収容所にも義援金と共に俘虜たちに希望を聞いて現物などが送られていました。
ついでに、収容所での料理・・「板東」ではどうだったのかなぁともう一度「ディ・バラッケ」にざっと目を通してみました。新聞の編集者たちは料理に興味がなかったのか献立の記載はほとんどないのですが、ひとつ見つけました!「鶏がらフリカッセスープとでかいポーク・ステーキのザゥアークラウト添え」です。(フリカッセスープってどんなのでしょう?)
夏になると、仲間がアイスクリーム、フルーツアイス、レモネードを作って売っていて繁盛しているという記事もありました。
下士官以下は自分たちで食事当番をしていたので、ジャガイモの皮むき当番について、とても嫌がっています。人数が多いので朝からずっとしなければいけなかったようですし、皮が厚いと仲間の料理の責任者から注意を受けたようです。
将校たちはお金を払って将校用レストランで食べるのが普通だったようなので、きっと食事の内容も良かったと思いますよ。ドイツ人俘虜の経営するレストランの他に日本人の経営するものもありました。
これらは「板東」での話ですが、たぶんこうした待遇の決まりはどこも似たようなのではないのかなぁと思います。

投稿: ろこちゃん | 2006年7月22日 (土) 17時58分

>Autyさん
ホント、おいしそうですよね。あー もう長いことドイツ料理を食べていません・・・どっか行きたいなー 音楽聴きながら半ズボン見ながら食べたいです。

>みみさん
そーなんです。豪華ですよね。たぶん厨房担当の人は、いろいろ工夫して故郷の味を出したんだと思います。後日、また第二弾をご紹介しますが、全国津々浦々の郷土料理を出していたようです。自分の故郷の料理が出てくると、兵士たち 思わず涙しちゃったんじゃないかしら・・・そうそう、みみさんはハンブルクにお住まいでしたよね。ハンブルガー・ビーフステークって、本当にオニオンリングがのったステーキで合っていますか?私、食べたことがないんです。家に何冊かドイツの料理本があるのですが、シュヴァイネブラーテンがどの本にも載っているのに対し、ハンブルガー・ビーフステークはなかなか載っていなくて・・・。

ところで余談ですが、フランス人のお宅にお邪魔したとき、ウワサどおり最後にチーズが出てきてビックリ。うぷっ もう入らないーーーと思いました。

>ろこちゃんさん
わざわざ調べてくださったんですね。ありがとうございます。お休みなのにすみません。でも、とっても面白いです!ジャガイモの皮を厚くむきすぎると怒られる、というの ほほえましいですね。確かにもったいないですから・・・。それにしても、香辛料の種類も豊富ですね。ビックリ。肉桂や丁子ってドイツ料理に不可欠の香辛料ですよね。となると、当時の収容所内のお食事、「似て非なるもの」ではなく「れっきとしたドイツ料理」だったんでしょうね。スゴイ!後日ご紹介しようと思っているのですが、別の日にはケーパーを使った伝統料理も出されています。ケーパーなんて現代の日本でもそれほどメジャーじゃないのに、どうやって手に入れたんでしょうね。スゴイスゴイ!調べてくださり、ありがとうございました。ちなみに「フリカッセ(Frikassee)」はフランス語が語源だそうで、「白い肉(子牛や子羊、鶏肉)をホワイトソースで似たもの」と、キッチン辞典にあります。私もチキンのフリカッセは よくドイツで食べました。チキンのクリーム煮みたいなモノだと思います。ただ、鶏がらフリカッセ・スープは疑問ですね~ 鶏のフリカッセの残りを水で伸ばしたものだったりして・・・。

投稿: ありちゅん | 2006年7月22日 (土) 19時59分

ありちゅんさん、おはようございます。ハンブルガー・ビーフステークにオニオンリングがのっているか?ごめんなさい。どうだったか覚えてません。あ~もう年ですね。たいぶ記憶がうすれてきてます。ハンブルグは港町だったから婦人会での食事会でも海の物が多かったので。

投稿: みみ | 2006年7月23日 (日) 10時45分

うわっ、
案外おいしそうですね。ボリュームたっぷり。
でもたしかに、バナナアイスは??
バナナはでもスタミナ食だというから、四方八方手を尽くして手に入れたのでしょうか?

私が知っている『ハンブルガー』は、タルタルステーキみたいなものだったような記憶があります。
生のひき肉みたいのに、目玉焼きとオニオンがのってたと思います。


そうそう、この話しとはまったく違ってしまうのですが、
昨日、クリストファー・ストリート・デーのパレードに行ってきました。ゲイパレードなんですが、いわゆるコスプレっぽい人もけっこう居ました。写真をアップしたので良かったら御覧下さい♪
ごっついでっかいドイツ人男性の女装コスプレはかなり、良いです。

投稿: kio | 2006年7月23日 (日) 15時59分

>みみさん
昨日コメントいただいていましたのに、お礼が遅くなってすみません。私がいたデュッセルドルフでも、よく「ハンブルク直送の●●だよ~」って売っていたような記憶があります。オランダから来た、というのもありましたが距離的にはハンブルクのほうが近いですもんね。場所は忘れましたが、新鮮な魚を食べさせてくれるお店がどこかにあって、一度だけ日本人の上司が連れていってくれました。美味しかったです。

>kio さん
そっかー やっぱり「オニオンリング」が決め手なんですね。当時のお料理、美味しそうですよね。なまじのドイツレストランより本格的かも。ゲイパレードはニュースでやってました。最初にkio さんを思い出しましたよ~ なんだか時間に追われてしまって、昨日はじっくり拝見できませんでした。今日の午後にもう一度お邪魔しますね。kio さんが撮った方々、コスプレっぽくて面白い・・・。

投稿: ありちゅん | 2006年7月24日 (月) 10時38分

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