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2006年8月11日 (金)

DDR (東ドイツ)の言葉 (その1)

今回、東西ドイツが出てくるコメディに出会いましたが、その際 なつかしのDDR-Woerter が何個も出てきました。原稿は既に一昨日 提出してしまったのですが、ちょっと気になって幾つか調べてみたところ、面白いサイトを偶然発見。個人の方が作られたサイトのようです。DDRにご興味のある方は、ご覧になると面白いかも。

Das Ost-West-Woerterbuch

そのうちの何個かを紹介させてくださいね。順序は適当です。私が「おぉっ」と思ったのを勝手に拾わせていただきました。

Broiler:今回、ドラマの中で出てきました。この辞書の定義によると「焼いたチキン。東側で知られていて西側で知られていない、数少ない英語が語源の言葉の一つ」。ドラマでも、東側の店員から「その料理はブロイラーを使ってます」みたいなことを言われ、西側の登場人物は何のことか分からず、きょとんとします。日本人は「ブロイラー」という言葉を知っていますが、西ドイツ人は知らなかったんですね。

drei Viertel sechs:これ、DDRの友人がよく使っていました。私は何のことか分からず「??」となってしまったのをよく覚えています。6時15分前なんです。分かりにくいですよねーーー あえて直訳するなら、「6時まで45分過ぎた状態」でしょうか。西側なら、Viertel vor sechs (6時15分前)と言うところです。友人たちは、確かにこの言い方をしていました。辞書によると、この表現は西ドイツ人にも通じないとか。

Viertel sechs :これは5時15分。これも、西ドイツの人々には分からない表現だとか。直訳しますと、「6時まで15分過ぎた状態」でしょうか。西なら、Viertel nach fünf (5時15分過ぎ)といいますよね。

drüben:これは本来「あっち」という意味ですが、DDRでは「壁の向こう(=西ドイツ)」という意味で使われていたとのこと。私もよく聞きました。なぜか日本人の私に尋ねるのです。「あっちの生活ってどうよ?」「あっちのジーンズって、どんな感じ?」という風に。なお、この辞書によると、東西が一緒になった今では旧西側を指して「bei uns - drüben(ここ、「あっち」では)と使うそうです。なんだかヘンなところが面白い。

DDR と BRD:東ドイツのことを「ドイツ民主共和国」の頭文字「DDR」で呼んだのはよく知られています。この言葉は、西の人も東の人も使っていました。ところが私が知る限り、西ドイツ(ドイツ連邦共和国)のことを頭文字「BRD(東の発音だと、“ベー・エアー・デー”と聞こえました)」で呼ぶのは東ドイツだけだったような・・・。これはこの辞書には載っていなかったので、何ともいえないのですが、どなたかお詳しい方いらっしゃいますか? 西ドイツの人たちは自分たちの国を よく「Bundesrepublik」とは呼んでいたように記憶していますが、「ベー・エアー・デー」は東限定だったような。

Grilletta:今回、ドラマに出てきました。私はてっきり、「グリルしたソーセージ」のことかと思っておりました。この辞書によると、いわゆる「ハンバーガー」を意味するんですね。Hamburg という西の地名は使いたくなかったのかな。私は「ソーセージ」と訳してしまったので、仮ミックスの訂正時に訂正をお願いしないと・・・。

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こうしてみると、DDR 特有の言葉もたくさん。また幾つか挙げさせてくださいね。

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コメント

ああ、時間の言い方!!いま向こうに行ったら文句なく間違いそうです!

わたしの周囲では drei viertel sechs とか viertel sechs とか言う表現はフツーに使われていましたよ。halb sechs はもちろん。
当地での知人にはDDRから亡命してきた人も居ましたし、向こうに親戚が居て書簡などの行き来があるかたも結構居たからでしょうか?交流する年代とも関係あるかもです。

BRDは確かにアルファベートでは言わなかったですね。わたしの周囲では「Bundesrepublik Deutschland」って、略さずに言ってました。

東西統一直前に、一度東ベルリンに行ったことがあります。あと、統一後に、メックレンブルクのNeustrelitz とか、あとGoerlitzとか行きました。まだまだ瓦礫がいっぱいあった頃ですが、今はどうなって居るんでしょう?

投稿: 樅の木 | 2006年8月11日 (金) 14時12分

樅の木さん

こんばんは。いつも面白いコメントをありがとうございます。お~ カールスルーエでは、Drei Viertel sechs とか、Viertel sechs とか言うんですね。知りませんでした。私がいたルール地方では、Viertel vor とか、sechs Viertel nach fuenf というのが一般的でした。この東西ドイツ語辞典によると、どっちかみたいですよ。両方を使う地方というのはないらしいです・・・。

BRD(ベー・エアー・デー)って、違和感ありますでしょ。当時のDDRでは普通に使われていたのですが、西じゃ聞かない言葉でしたよね。いや~ 方言って奥が深いです。

投稿: ありちゅん | 2006年8月11日 (金) 21時51分

確かに、そういえば、
東独は時間の言い方が違うと聞いたことがあります。
ただでさえ間違えるのに、ややこしい!
ブロイラーは、日本と同じ!と感激した覚えがあります。

樅の木 さん、
旧東独地帯も、今はずいぶんきれいになってきていますよ〜。
でも、『きれい』になおっているというのは案外くせ者で、
単に、古いものをつぶして新築のぴかぴかした、周囲の風景に似合わない建物が沢山建っている、ということでもあったりします。
東独は特に、西へのあこがれからなのか、新建材を使ったものに執着する傾向があるように思います。
ドレスデンとか、大きくて美しい街は、文化財保護とかされていますけれど、小さな街は、見る影もない感じです。

投稿: kio | 2006年8月12日 (土) 19時11分

話が飛んで恐縮ですが、これを読んでいてまたしても連想したのが(しつこくてすみません)

Thomas Brussig
Am kuerzeren Ende der Sonnenalle
http://de.wikipedia.org/wiki/Am_k%C3%BCrzeren_Ende_der_Sonnenallee
という小説です。1999年刊と上記にはありますが、大ヒットした本です。コメディなので面白いし、DDR時代の言葉やエピソードがちりばめられている、笑いました。私は傑作だと思っています。
(検索かけたら、日本語訳も出ていることが分かりました。勿論ドイツ語わかる方は是非ドイツ語で読んで欲しい小説、DDRに興味のある方は尚更)

この小説は映画化されてこれまたドイツで大ヒットしたのですが、私は見ていないのです。映画が有名になったので多分Sonnenalleeといったら映画を連想する人が多いと思います。
http://de.wikipedia.org/wiki/Sonnenallee_%28Film%29

で、これも検索かけたら、DVDも出ていますがドイツ語版だけ。ありちゅんさん、これは訳さなければならないのでしょうか!?などと一瞬思ってしまったのでした・・・

投稿: spatz | 2006年8月12日 (土) 22時33分

>kio さん
えっ!旧東ドイツの小さな町って、そんなに新建材に執着しているんですかーーー!もったいない!確かに、40年以上もの間、歴史が止まったような町に住んでいましたが、それがよかったのに・・・!私がDDRにミョ~に惹かれたのも、中世の町並そのまま、という雰囲気だったからなんですが・・・あぁ、もったいない・・・。

>spatz さん
Sonnenallee の書籍と映画のご紹介、ありがとうございました!み、み、見たいです・・・!日本で上映されるのかなぁ?「グッバイ、レーニン!」で日本でもDDRが一躍脚光(?)を浴びましたが、まだまだマイナーですよね。私たちドイツ好きにとっては興味深いテーマなのですが、一般のお客様だと細かい説明がないと分かりにくいでしょうし・・・。おっ!!このSonnenalleeでは、主人公を演じたのがAlexander Scheer なんですね!知ってます、この人。Viktor Vogel - Commercial Mann の主人公を演じた人でした。何となく頼りない俳優さんでしたが、見ちゃうと気になるタイプの俳優さんかも。むむむ・・ますます見たくなりました! もしかすると、kio さんがお詳しいかも・・・

投稿: ありちゅん | 2006年8月13日 (日) 00時14分

http://www.amazon.de/gp/product/B00004XN7T/302-5319822-2925658?v=glance&n=284266

しつこくてすみません。上記がDVD
Sonnenallee
はそう新しいフィルムではありません。売れましたけど。上記アマゾンで医書に紹介されている、Helden wie wir が彼の小説デビュー作だったと思うのですが、旧DDR時代のことを面白く書く作家です。風刺も利いているし。
グッバイ・レーニン!に繋がる路線のものかと思います。アマゾンの「これを買った人はこれも買ってます」欄にはグッバイ・レーニン!のDVDも入っていますから。今Sonnnenalleの本が手元に無いのですが、
主人公の家族には、こまごまとしたこと、日常的におこるすべての些細なことに"ich schreibe Beschwerde!"(ich muss eine Beschwerde schreiben!)というお爺さんがいたことを思い出しました。苦情、ってなんだろ?と思ったものですが、SEDのなんかてことでしょうね。STASIがらみかな?とにかく、このあたりのこと、私も興味がすごくあります。あまり詳しくないし住んだことはないのですが…

投稿: spatz | 2006年8月13日 (日) 10時08分

Spatzさん、いつも調べてくださり、ありがとうございます。このあたり、私も本当に興味あります。あ~ 日本で売ってくれないかなぁ~。できれば字幕つけさせてくれないかなぁ~。それほど新しくない作品がDVDで日本でも発売されるってことは、時々あります。(普通は最新の作品が多いですが)ただ、日本で販売oder 上映するかどうかというのは、「売れるかどうか」「お客が入るかどうか」ですから、その点からすると、日本語版制作会社も買い付けに二の足を踏んでしまうのかもしれません。まだまだ普通のお客様には馴染まない内容ですから。私は「韓流の次は独流だ!」と息巻いているのですが・・・

投稿: ありちゅん | 2006年8月13日 (日) 22時29分

ありちゃんさん、はじめまして。
kioさんのところから飛んできました、warabiと申します。

「東ドイツの言葉」とても興味深い話題です。
warabiの東ベルリン出身の友人がよく「doll」を使っていました。
「doll」は辞書にもないし、東側の言葉なのでしょうか?
もしご存じでしたら、教えてください。

投稿: warabi | 2006年8月19日 (土) 14時38分

warabi さん、はじめまして。いらしてくださり、ありがとうございます!実は私、以前kio さんのブログ経由でwarabi さんのお宅にお邪魔したことがあるんですよ♪でもその時は読み逃げしてしまいました。その節は失礼いたしました。どうぞよろしくお願いいたします^^

doll って、私もよく耳にしました。いわゆるtoll と同じだと思います。小学館の辞書には載っていました。北部の方言と出ていましたので、DDRでも北部の方言だったのではないでしょうか?私が記憶しているのは、Ich hab dolle Kopfschmerzen! (頭痛がひどくってね~)という友人の言葉です。「すてき」という意味のほかに「すごい」もありますので、ネガティブな意味にも使うようです。

こうしてみると、方言って奥深いですよね。学校で習うのは標準ドイツ語だけど、実は様々な言葉が話されていて…。難しいけれど、方言って昔から好きです。

warabi さん、よろしければまた遊びにいらしてくださいね。私も後でお邪魔いたします。

投稿: ありちゅん | 2006年8月19日 (土) 16時28分

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