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2006年12月18日 (月)

Lebkuchen (レープクーヘン)

シュトレンと同じくらい“ドイツドイツしたクリスマスのお菓子”といえば レープクーヘンだと私は勝手に思っております。見た目はちょっと不思議ですが。私の弟は昔、ドイツから送っていただいたレープクーヘンを見て、「何?これ、タコノマクラ(蛸の枕)」と言っていました。(←分かる人には、分かっていただけるはず。写真を比べてみてね♪

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レープクーヘンといえばニュルンベルクなのですが、そこの同業者組合が作っているサイトを発見してしまいました。レープクーヘンに関するサイトは数多くあるのですが、書かれている内容も様々。その点、この団体のサイトは比較的信頼置けるのではないかと思い、ご紹介させていただこうと思います。ドイツ語ですが。

レープクーヘンについて

形は丸や長方形など様々ですが、オブラートの上に柔らかい種を流して焼くのが一般的のようです。ハート型のものとか、中にジャムが入っているものとかバリエーションも色々。

<名前の由来>
名前の由来には諸説あるとのこと。私が検索しただけでも、様々な説が出てきました上のサイトでは、ラテン語の libum (=ドイツ語のFladen、丸くて平たい焼き菓子のことだそうです)から派生したのでは、となっておりました。「命(Leben)のケーキ」という意味がある、という説明を日本語のサイトでいくつか見かけましたが、ドイツ語のサイトで調べる限り、「Leben」とは無関係、となっています。なお、レープクーヘンのモトとなったのは、古くから存在したPfefferkuchen (プフェファー・クーヘン)や Honigkuchen (ホーニヒ・クーヘン)ではないか、とのこと。(ホーニヒ・クーヘンについては紀元前から存在した、との説もあるらしいです)

ドレスナー・シュトレンという呼称がドレスデンで焼かれたシュトレンにしか使えないのと同様、1996年に「Nürnberger Lebkuchen(ニュルンベルガー・レープクーヘン)」 と呼べるのは、ニュルンベルクで作られたレープクーヘンのみ、と定められたそうです。

<職人の歴史>
既に1395年にはLebküchner (レープクーヘン職人)やLebzelter(ドイツ南部やオーストリアでは、Lebküchner をこう呼ぶそうです) の記述が出てくるとのこと。しかし、「ツンフト」(手工業者の同業者組合)として認められるには時間がかかったと記されています。1643年になって、ようやくニュルンベルク市の参事会がレープクーヘンのツンフト設立を認めたとのこと。「ツンフト」と聞くと、高校の世界史を思い出しちゃいますね。設立時の「レープクーヘン・マイスター」は14名。このマイスターへの道のりは厳しかったそうです。このサイトに、面白い記述が。

Der vielleicht bequemste - aber nicht immer angenehmste - war der über die Eheschließung mit einem Meister-Toechterlein. In der 1645 veröffentlichten Lebkuechner-Ordnung gab es eine Unazhl von strengen Bestimmungen.  Verkaufen durfte seine Lebkuchen nur, wer seinen "eigenen Rauch", also einen Backofen, besaß.
マイスターになるのに最も楽な方法 - ただしそれが最も快適な方法とは限らない - は、マイスターの娘と結婚することであった。1645年に発表されたレープクーヘン職人規定では、厳しい規則が数多く定めてあった。そして、焼き釜を所有する者のみがレープクーヘンの販売を許された。)マイスターのお嬢さんが「???」だったりすると、決して「快適」ではなかった、ということでしょうか。ぷぷっと笑ってしまいました。

<原材料>(Wikipedia を参照しました)
・ナッツ類(ヘーゼルナッツ、くるみ、アーモンドなど)
・オレンジピールとレモンピール
・ハチミツ、粉、砂糖、卵
・マジパン(え?どこに入れるんだろう・・・)
・香辛料(アニス、ジンジャー、カルダモン、コリアンダー、ニクズク(ナツメグ)の花、丁子、オールスパイス、シナモンなど)

これらを混ぜ合わせて種を作り、オブラートの上に流して焼きます。イーストは使わず、鹿角塩(ろっかくえん)を使って膨らませるのだそうです。

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長くなってしまってすみません。レープクーヘンのメーカーのHPなどを読んでみましたら、「当時は金に相当するくらい高価だった香辛料をふんだんに使い・・・」といった説明をよく見かけました。ドイツのクリスマス菓子って、どうしてこんなに香辛料が強いんだろう・・・とよく思うのですが、これが富の象徴だったのでしょうか。香辛料がたっぷり入っている、ということは、「純金入り饅頭」みたいなものだったのかしら・・・などと想像してしまいました。ニュルンベルクは古くから栄えた町ですしね。

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「ドイツのお菓子」カテゴリの記事

コメント

タコノマクラ…
すごすぎます。
ある意味感動(風邪引いているのでコメントが滅茶苦茶ですみません)

投稿: spatz | 2006年12月18日 (月) 00時32分

レープクーヘンを見て、タコノマクラが出るとは、相当の知識(マニア)ですね(笑)
でも、タコノマクラを見て、「レープクーヘンみたい!」と言うのはアリかな?と思いました。

実は、レープクーヘンは見るばかりで食べたことが無いのです(もぐりだー、私)。
お菓子もその歴史とか、言い伝えを知ると、もっと味わいが出ますね。

投稿: まがり | 2006年12月18日 (月) 08時03分

☆シュパちん

見てくれた?ね、ね、似てるでしょ。模様なんて激似。私も弟も「科学と学習」を愛読して育った世代なのでした。科学によく出てくるのよ~ああいうのが。「海辺の生き物」みたいなので。

☆まがりさん

ね、ね、タコノマクラを見るとレープクーヘン連想するでしょ?アリです、アリ。上にも書きましたが、模様までソックリなんです。見た目が似てるだもん、味も同じのはず。これでもか~これでもか~と香辛料を加えるのって、もしかして贅沢の証だったのかしら。香辛料が入ってないと、ショボいと思われそうだと思って、職人さんが大盤振る舞いしたとか。

投稿: ありちゅん@それ以来、実家ではレープクーヘンを「タコノマクラ」と呼んでいます | 2006年12月18日 (月) 14時46分

いつもながら、ありちゅんさんは調べモノ能力が高くてスゴイ!上記リンク先サイトも、おもしろくてブイブイ読んでしまいました。
香辛料は富の象徴か~、なるほど。私はてっきり味盲なドイツ人にはあのくらいにしないとわからないのかと思ってしまっておりました。
レープクーヘンとコーヒーって合うと思うのです。アドヴェント期には毎日ガバガバ飲み込んでました~

投稿: あむ | 2006年12月18日 (月) 17時59分

ご指名とあらば書き込まざるを得ませんな。

タコノマクラについては私も以前から存じていましたが、さすがに飼ったことはありません。こいつの仲間にはほかにも面白い名前が付いているものがいて、カシパンとかブンブクチャガマというのもいます。特に「カシパン」は名称的にもレープクーヘンにピッタリではないでしょうか。タコノマクラ同様、デザイン的にもそっくりです。それにしても、彼らに知能があったら、こんな名前が付けられていることにどういう反応をするか想像すると楽しいです。

ところで、このレープクーヘン、私はレーバーケーゼと間違えてしまいました(一字しかダブってないのに)。ビールと一緒に少しずつ。よくやったなぁ。たまりませんな(ヨダレ)。

投稿: U99@カシパンの方が好き | 2006年12月18日 (月) 23時05分

★あむさんっっ

あむさんにも同じ血が流れているのを感じます・・・(って、一緒にされたらメーワクですよね(汗))あんなに素敵なHPやブログを書いていらっしゃるのに、コーヒーガバガバ?いや~ん、私と同じノリじゃないですか~ 確かにドイツのお菓子って香辛料きついですし、味も濃いから、コーヒーのほうが合いますよね。紅茶じゃなくって。

投稿: ありちゅん@確かにコーヒーと合う! | 2006年12月19日 (火) 06時57分

★U99さんっ

さすが!タコノマクラをご存じであるばかりか、さらに菓子パンまで教えてくださるとは・・・!コレですね↓

http://www.aquamuseum.net/aqua/uni/kasipan.html

これは透かしが入ったタイプみたいなのですが、模様といい、厚さといいソックリ。日本の甘食パンとか、鍋物用に飾り切りした椎茸を連想しますね。おもしろすぎ。

レープクーヘンの祖先はプファークーヘンとかホーニヒクーヘンではなく、カシパンかタコノマクラだった、という説をレープクーヘン学会で正式に発表しようかと現在真剣に検討中です。

投稿: ありちゅん@きょ、驚愕! | 2006年12月19日 (火) 07時01分

な、なんでありちゅんさんといいU99さんといい…
こんなにおくわしいのですか?
ヤドカリつながりですか?

…驚愕です

無茶苦茶おもしろいです。

おおお!そのものじゃん!と声をあげております。

投稿: spatz | 2006年12月19日 (火) 07時04分

★シュパちん

や~ね~ シュパちんだって詳しいくせに。海辺育ちじゃなかったっけ?私は図鑑でしか知らなかったのですが(磯遊びは大人になってから。カニ釣りにコーフンしましたわっっ)シュパちんはナマで知ってるでしょ。

U99さんはヤドカリのお話を伺った際に、こ、これはタダモノでは・・・と思いました(笑)海系のモノにお詳しい方です。つながりあるかな?Uボートとタコノマクラ。

投稿: ありちゅん@シュパちんこそ・・・ | 2006年12月19日 (火) 07時10分

うっかり会社で見てしまったので、タコノマクラに吹いてしまいました。に、似てる…。卵が先か…じゃないですけど、どっちがどちらに?そういえば、カシパンっていうのは聞いたことあります。
ハチミツがレープクーヘンに使われるのは、蜜ろうそく作りの職人が、あまったハチミツを使って作ったんだとか何だとかいう教材を、ドイツ語の授業のときに読まされた覚えがありますが、真偽の程は不明です…。

投稿: なおこ | 2006年12月19日 (火) 17時04分

ありちゅんさん、シュパッツさん
アタシの興味の範囲って非常に限られているんです。例の「サカナ君」みたいに魚介のことをなんでも知っている訳ではなくて、ある分野の中のさらに特殊な分野にだけ興味を示すという人間。つまり「ヲタク」に近いですな(いや、ヲタクそのものかもしれない)。

あるUボートはタコノマクラに救われました。その時、艦長はこう言ったとさ。

Der liebe Gott hat uns ne' Schaufel Takonomakura untern Kiel geschmissen!
「神がタコノマクラを一山、キールの下に敷いて下さった!」

(ありちゅんさん、これってまだマズかったかしら?)

投稿: U99@ヲタク | 2006年12月19日 (火) 23時07分

☆なおこさん

わ~ ウケていただき、感謝感謝です。私、今日はちょっと外出したのですが、電車の中で「タコノマクラ」と「カシパン」を思い出し、ぷぷっと吹き出してしまいました。あまりにも似すぎてコワイ。レープクーヘンを最初に考案した人、絶対にタコノマクラかカシパンを見たに違いないわっっ あれ?でもニュルンベルクは海沿いじゃないですよね。おかしいなぁ・・・

投稿: ありちゅん | 2006年12月19日 (火) 23時52分

☆U99さん

Meap, Meap, Meap.

あ、違った、間違えた。

7海里

あ、また間違えた。

魚雷不発

あ、またまた間違えた。ちゃんとした文章書こうと思うのに、書けないわ~ 私、お疲れなのね、きっと。

☆シュパちん

Ich werde Dir morgen mal mailen.

投稿: ありちゅん@U99さん冴えすぎっ | 2006年12月19日 (火) 23時55分

これからは、レープクーヘンを目にしたら(職業柄?多分どこかでいただくと思う)、まず
「これは、ほんとうにレープクーヘンか?
タコノマクラとかカシパンをもってきて
”やーいやーいひっかかったー”」
と人を担ごうとするやからがいないか、十分に確かめます。
ところで、それらの相違を見分ける最大ポイントはなんでしょうか?食べてみる、じゃだめです。匂い、も風邪いている人には意味ありません。何よりナマモノを口にするとノロにやられます。
かなりの重大問題だと思われます。
ここ、深海?

投稿: spatz | 2006年12月20日 (水) 06時00分

★シュパちん

おっはよ~^^ 実は私、まだ今年はタコノマクラを食べておりません。あ、違った、レープクーヘンを食べておりません。先日、ドイツパン屋さんの「リンデ」でチョコレートがけのレープクーヘンを売っていたのですが、結構なお値段なのでやめてしまいました。

タコノマクラやカシパンと、本物のレープクーヘンの見分け方・・・う~ん、難しい質問かも。ほっぺたに当ててみて、ひんやりしたらヤバいと覚えておけば、間違いないかもしれません。あ、そうだ。裏返してみて、オブラートがついていたらレープクーヘン、というのも確実かも。

投稿: ありちゅん | 2006年12月21日 (木) 07時07分

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