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2007年2月13日 (火)

Das Leben der Anderen (邦題:善き人のためのソナタ)

ここ数日間、多くの方々が「善き人のためのソナタ」「Das Leben der Anderen」で検索して遊びに来てくださいました。2月10日から公開され、話題になっているからだと思います。過去の記事で恐縮ですが、前に持ってきてしまいました。既に読んでくださいました方、二度目ですみません。

なお、字幕翻訳を担当なさったのは、ハリウッド大作などを中心に第一線で活躍なさっている方です。

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(以下、10月8日の日記です)

先日、この映画の試写会に行ってまいりました。私のツボにピッタリはまってくれちゃう映画で、感謝、感激、感涙。

「善き人のためのソナタ」(公式HP)

監督: Florian Henckel von Donnersmarck (フローリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク)
音楽: Gabriel Yared (ガブリエル・ヤレド)

出演者: Ulrich Mühe (ウルリッヒ・ミューエ)、Martina Gedeck (マルティナ・ゲデック)、Sebastian Koch (セバスティアン・コッホ)ほか

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1984年11月の東ベルリン。主人公ヴィースラー大尉は忠実かつ冷酷に任務を遂行する有能なシュタージ要員。今回の監視対象は、劇作家ドライマンとその恋人で女優のクリスタ。ところが盗聴を続けるうちに、大尉は2人に惹かれていきます。盗聴器から聞こえてくる音楽に耳を傾けるうち、封じ込めていた「人間性」を取り戻し、彼らに共感を覚えるのでした。反体制であるとの証拠を挙げ、逮捕に結びつけるはずが、逮捕寸前の彼らを助けてしまいます。その結果、大尉は郵便物の開封作業という閑職へ。シュタージという組織の中で輝かしい業績を持つ主人公ですが、家に帰れば一人わびしく食事をかきこみ、巨漢(!)のコールガールに甘えるという孤独で寂しい一面も描かれています。 1991年、ドイツ統一後。シュタージによる監視ファイルの開示を請求したドライマンは、自分を監視していたのに最後は守ってくれた男の存在を知ります。自分を助けたがために左遷され、閑職に回ってしまった男に感謝するため、ドライマンはある方法を思いつくのです・・・

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大尉役を演じたウルリッヒ・ミューエは東独出身の俳優。娘は昨年公開された「青い棘」のアンナ・マリア・ミューエ。自身の夫人で女優でもあるJ・グロルマンがシュタージに夫の密告を行っていた、という過去を持ちます(夫人は否定)。ハンサムではないのですが、味のある演技をする俳優さんです。 女優クリスタ役を演じたマルティナ・ゲデックは、「マーサの幸せレシピ」で主役マーサを演じた女優さん、と聞けばピンと来る方も多いと思います。とても美しい女優さんですが、映画ではどぎついメークと疲れた顔。ドラッグに溺れながらも女優の地位に何とかしがみつこうとし、シュタージの脅しに屈する弱さと愛する男性への思いの間で揺れる悲しい女性を好演。場末の雰囲気がよく出ていて物悲しいです。 劇作家役のセバスティアン・コッホは、「トンネル」で、主人公とともに西へ脱出する技師の役で出ていました。その頃から素敵!と密かにチェックを入れておいたのですが、今回 再びスクリーンでお顔を拝むことができ、嬉しい♪ この3人以外にも、渋い演技が光る俳優さんたちが脇を固めております。個人的にはシュピーゲルの記者役で登場するHerbert Knaup (ヘルベルト・クナウプ)が好きなので、今回見られて嬉しい♪ 「アナトミー2」の教授役で出ておりました。声が低く、渋くて素敵☆ 昨年ドイツ映画祭で上映された「アグネスと彼の兄弟」にも出ていましたが、時間が合わず未見。残念!

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監督が調査に4年を費やしたというだけあって、シュタージの監視の手口はリアルに再現されており、背筋が寒くなりました。明るさを抑えた画像がまさに当時のDDR を彷彿とさせます。マルティナ・ゲデックになりきってしまった・・・などと図々しいことは申しませんが、すっかり入り込んでしまいました。お正月後公開との話です。よろしければ是非、ご覧になってくださいね。

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「ドイツ映画」カテゴリの記事

コメント

すごく見てみたいです!面白そうですね。
ありちゅんさんの思い入れが、とてもよく伝わってきましたよ。

投稿: なすび | 2006年10月 8日 (日) 20時38分

★なすびさん

コメントありがとうございました。DDRのシュタージ物というのは意外と少ないらしく、この映画はドイツでもロングランとなったとのことです。こういったテーマはドイツ人にしか作れないですもんね。ハリウッド映画のような華やかさはないけれど、見た後じんわり来る映画だと思いました。

投稿: ありちゅん@おかしい!ウケました | 2006年10月 8日 (日) 21時15分

ありちゅんさん、このドイツ映画を楽しみにしています。
先日、ドイツ映画の観賞会があって「会議は踊る」をみてきました。もう何回もみているのですが、あのシーン、このシーンと思い出しながら「すばらしい映画だなあ」と、またまた感動してしまいました。映画をみながら上映シーンを先読みして感涙したりして、隣りの人には変なおじさんと思われたことでしょう。
「Jenseits der Stille」というDVDをドイツの友人から贈られたのですが、この映画の冒頭シーンもすばらしく美しい映像でした。何回みても感動します。
ドイツ映画っていいですね!

投稿: 絵描き屋 Yoshimi | 2006年10月 9日 (月) 00時31分

★絵描き屋 Yoshimiさん

こんにちは。コメントありがとうございました。絵描き屋 Yoshimi さんも壁の崩壊を直接ご覧になっていらっしゃる方ですので、きっとこの映画をご覧になりますと、「じーーーん」と感じられるのではと思います。「グッバイ、レーニン」はどちらかというと、DDRを茶化していましたが、今回の作品はDDRの体制で苦しんだ人を描いております。あれは何も100年前の歴史ではなく、つい最近の話だったんだ、と改めて認識した次第です。Jenseit der Stille は私も見ました。子役の女の子の演技が光っていますよね。安っぽい感動ではない、本物の感動をくれる映画だと私も思いました。

ドイツ映画、私も大好きです。ナチやシュタージなどのテーマは扱うのもしんどいでしょうが、ドイツ人にしか撮れないものだと思いますので、これからもこういう映画を作ってほしいな、と思います。

投稿: ありちゅん | 2006年10月 9日 (月) 10時19分

はじめて書き込みをします _(._.)_

本日「善き人のためのソナタ」を観に行きましたが,良い映画ですねぇ.
とくに Ulrich Mühe の演技力が素晴らしい!

>>ハンサムではないのですが、
>>味のある演技をする俳優さんです

じつは小生,彼のことは結構「格好良いなぁ」と思いました.
ただ,左右の目の大きさがだいぶ違いますから,もちろん「ハンサム」とは言えませんねぇ (;・∀・)

投稿: Martial Alchemy | 2007年2月12日 (月) 20時39分

★Martial Alchemy さま

はじめまして。遊びに来てくださり、ありがとうございます。映画をご覧になったんですね。初日はかなり混んでいたと聞きましたが、いかがでしたか?Ulrich Mühe の演技力には私も感心いたしました。奥様がかつて密告していた、という過去もあり、いろいろ思うところもあったのかもしれませんね。この作品がドナースマルク監督の第一作ということですから、今後が楽しみです。確か34、5歳のはずです。ということは、壁が崩壊した頃はまだ16,7歳・・・。そんな若い監督さんがあの時代を撮ったことにも驚きました。

投稿: ありちゅん | 2007年2月12日 (月) 22時24分

年末にせっせとコメントを残してから大分経ってしまいましたが、ほとんど日参させていただいてます。「ヒトラー最後の12日間」もこちらで知って早速見てきました!夜中の3時までかかって見て、すっかり寝不足です…。私は内科医さんが好みでした~。

「善き人のためのソナタ」、こちらで知ってから公開されるのをずっと楽しみにしていました。ドイツ語学科時代の友人2人と今度身に行く予定です♪

投稿: なおこ | 2007年2月13日 (火) 13時34分

土曜日の「王様のブランチ」の映画コーナーで、この映画とりあげられていましたよ。ドイツでは今も、ロングラン上映中なんですね。ますます観てみたくなってしまいました。

投稿: なすび | 2007年2月13日 (火) 17時26分

はじめまして。今日この映画を観てきました。
観に行く前にこのページにおじゃましたんですが、あえて読みませんでした。
今読んでみて、映画の評価がとても上手いな~と感じました。お陰様で余韻に浸ってます(^-^)
今とてもドイツに興味があるので、これからもお邪魔したいと思います、Vielen danke!

投稿: mamoru | 2007年2月14日 (水) 01時24分

★なおこさん

こんにちは~ コメントありがとうございます。お友達と一緒に行かれるんですね。感想をお聞かせください。私もそのうち、もう一度劇場に足を運んで観たいと思っています。こんなに話題になるドイツ映画って久しぶりじゃないかしら。ドイツの映画人にとって永遠のテーマといえばナチスだったのですが、シュタージ問題もまた、永遠のテーマに加わったような気がします。

★なすびさん、

いつもありがとうございます。先日は「ヒトラー家」の情報もありがとうございました。お、そうだ。ブログに載せなきゃ。なすびさんがヒトラー最期の12日間が放映されていることを教えてくださったおかげで、ご覧になった方が喜んでいらっしゃいますね。いつもありがとうございます。

★mamoru さん

はじめまして。遊びに来てくださり、ありがとうございます!以前も来てくださったんですね。映画をご覧になったとのこと。本当に味わい深い映画ですね。余韻がいつまでも残るような。音楽も効果的。監督の1作目とは思えない、完成度の高い作品だと思いました。ドイツに興味がおありなんですね。私ったら食い意地が張っているのか、お菓子だの食べ物だのってそんなのばかり書いておりますが、よろしければまた遊びにいらしてくださいね。

投稿: ありちゅん | 2007年2月14日 (水) 07時33分

お尋ねの件についての回答を ヘ(^^ヘ)

>>映画をご覧になったんですね。
>>初日はかなり混んでいたと聞きましたが、
>>いかがでしたか?

小生は 2 月 12 日(火)に見たのですが,満席でした (!o!)オオ!

やっぱり良い映画には人が集まるんですねぇ!

>>そんな若い監督さんがあの時代を撮ったことにも驚きました

小生も監督が若いことにビックリしました.
これからの彼の作品が楽しみです.

投稿: Martial Alchemy | 2007年2月14日 (水) 19時25分

★Martial Alchemyさま

こんばんは~ コメントありがとうございます。火曜日にもかかわらず混んでいたんですか・・・!すごい。ナマの監督さんを近くで見てしまいましたが、ごく普通の青年、といった感じでした。ギョーカイ風でもなく、ごくごく普通のジーンズにシャツといったいでたちでした。ただし身長は2メートルくらいあり、とても大きな方でしたが。

投稿: ありちゅん | 2007年2月14日 (水) 21時37分

アカデミー賞の外国語映画賞にノミネートされてましたが今日受賞しましたね!こちらではまだ上映されていないのでまた見ていません。(T_T)残念です~。個人的には音楽もとても楽しみにしているんです。早く見た~い!

投稿: ろこちゃん | 2007年2月26日 (月) 18時01分

★ろこちゃんさんっ

わー コメントありがとうございます!すごいですね、アカデミー賞受賞ですもんね。この監督さんが初めて撮った映画が受賞作とは。次の作品も楽しみです。早く全国に巡回するといいですね。シュタージ問題はナチス問題と同様、これからもドイツ人が向き合っていかないといけないテーマでしょうね。これが第一号です。

投稿: ありちゅん | 2007年2月26日 (月) 18時34分

久々に書き込みをします (・_・)(._.)

非常に残念な訃報ですが,Ulrich Mühe 氏は 7 月 22 日に胃ガンが原因で死去していたそうです.

合掌 ・・・(,,゚Д゚)†

投稿: Martial Alchemy | 2007年7月25日 (水) 21時56分

★Martial Alchemyさん

こんばんは。ご無沙汰しております。コメントありがとうございます。ちょうど私も先ほど、この訃報の記事を書いたところでした・・・。夕方、ニュースが飛び込んできて驚きました。いい演技をする俳優さんだっただけにショックですよね。これから更なる活躍が期待されていたでしょうに・・・ヘッドホン越しに音楽が流れてきたとき、大尉は何とも言えない表情をしましたよね。封じ込めていた人間性を取り戻した瞬間だったのでしょう。あのひたむきな演技、本当に素晴らしかったのですが・・・ご冥福をお祈りします。

投稿: ありちゅん | 2007年7月25日 (水) 22時08分

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