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2007年4月21日 (土)

Rohrnudeln (ロアヌーデルン)と Dampfnudeln (ダンプヌーデルン)

先日、1930年代のバイエルン北部で一般的だったという食生活についてちょこっと書いたのですが(過去の記事)、参考にした本の中で ロアヌーデルン (Rohrnudeln) と ダンプヌーデルン (Dampfnudeln) というメニューがしばしば登場していました。両方ともパンのようなものですが、前者がオーブンで焼いて作るのに対し、後者は蒸して作るものです。オーブンのことを南部ではBratrohr と呼ぶため、Rohrnudeln となるみたいですね。「ヌーデル(複数はヌーデルン)」といってもパスタではないのが面白いところ。

・・・その本を読んでいるうちに別の本を思い出しました。10年ほど前にドイツで流行った本。アンナ・ヴィムシュナイダー(Anna Wimschneider) という1919年生まれの農家の女性が自分の人生を振り返って書いた “Herbstmilch (秋のミルク)”です。邦訳も出ていると思います。幼い頃に母を亡くした筆者は兄弟姉妹の面倒を見ながら農作業もこなし、相当苦労したようです。非常に質素な毎日で、先日ご紹介した30年代の農家の暮らしとソックリ。筆者もよくこの粉料理を作ったそうです。

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一部引用させていただくと:

Mit neun Jahren konnte ich schon Rohrnudeln, Dampfnudeln, Apfelstrudel, Fleischgerichte und viele andere Dinge kochen. (私は既に9歳にして、ロアヌーデルンやダンプヌーデルン、アプフェルシュトゥルーデルや肉料理、そしてそのほかにもたくさんの料理を作ることができました。)

ちなみに朝食はパンのスープ(Brotsuppe)だったと書かれていました:Ich habe Feuer gemacht und die Milche gekocht, in die Schuessel gegeben, ein wenig Salz dazu und dann Brot eingebrockt. (私は火を起こすとミルクを沸かし、それを器に注いで少しの塩を加え、パンを砕いて入れました。)

ロアヌーデルンやダンプヌーデルンってどんな感じ?と思ってくださる方もいると信じて少しだけご紹介。

P4100006ロアヌーデルン:人肌に温めた牛乳にイーストを入れます。このイースト入りの牛乳を、ふるった小麦粉に注ぎ、よく練ってから寝かせます。別のボウルに卵を割り入れ、砂糖・牛乳・溶かしバターを加えて混ぜ合わせ、寝かせておいた生地によく練りこんだら1次発酵。ガス抜きをした後、小さな玉に丸めて平たい容器に並べ、2次発酵。よくふくらんだら表面に溶かしバターを塗り、200度のオーブンに入れてふっくら焼き上げます。オーブンから取り出すとアラ不思議。ロアヌーデルンの出来上がり。好みでバニラソース(カスタードソースみたいなもの)をかけてGuten Appetit!

P4100007_1 ダンプヌーデルン:上のロアーヌーデルンとソックリ。最後が違うだけ。鍋に牛乳、砂糖、バターを入れて沸かし、そこに丸めた種をきっちり詰めます。蓋を閉めてとろ火で30分ほど加熱。牛乳の蒸気で蒸し煮にするような感じだと思います。蒸しパンっぽい食感だったような記憶が・・・(あまり覚えていないのです。)同じようにバニラソースを添えて出します。

ここにご紹介したのは、どちらも卵やバター、牛乳をふんだんに使った現代的なものですが、1930年代のバイエルンでは小麦粉はぜいたく品だったとのこと。その代わりにライ麦を使ったそうです。おそらくもっとシンプルだったんでしょうね。「秋のミルク」によると、貧しくて学校に食べ物を持っていけなかった筆者のために、同級生のお母さんが彼女の分のロアヌーデルンを子供に持たせてくれたとのこと。筆者は「このことは一生忘れないだろう」と書いていました。バイエルン地方の人たちにとっては「懐かしい味」「お母さんの味」でもあったのでしょうね。

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「ドイツの食品」カテゴリの記事

コメント

いま朝ごはんを食べたばかりですが、またお腹がすいてしまいましたよ~。おいしそうですね。お昼はパンにしようかな。

投稿: なすび | 2007年4月21日 (土) 07時45分

こんにちは。
「秋のミルク」は映画で見ました。
結構悲惨な話で、思いっきり落ち込みましたけど…。
この映画が公開されたころ、私はまだ今の仕事をしていなくて、
映画はただ自分の趣味で見ていただけ、しかもドイツ語なんて
全く関わっていなかった時期なんですが、そのころの記録を
読み返してみると、日本で公開されたドイツ映画は
かなりきっちり見ていたみたいなんですよ。
今では話題にも上らないような映画を、
遠くの小さい映画館まで見に行っていたり…。

だからもしかしたらそのころから、
ドイツの呼び声を聞いていたのかもな…なんて。

投稿: Kunka | 2007年4月21日 (土) 10時06分

おお、なんとタイムリーな!
私の通っているドイツ語クラスで、来週はAnna Wimschneiderの映画をちょこっと見せてくれるということになっているのです。わー。

飽食の時代の今、むかしの食生活に驚くことも多いですが、人の優しさや愛情がたっぷりだったことを思えば、今の食事の方が貧しく感じるときもありますね。

投稿: まがり | 2007年4月21日 (土) 13時06分

★なすびさん

コメントありがとうございます~ 今日は朝から出ていて、お礼が遅くなってすみません。ね、この写真(特に焼くバージョンのほう)は美味しそうですよね。大昔食べたけど、焼きたては美味しかったです。蒸すバージョンのほうは、なんとなく味は覚えているのですが、「美味しかった!」と思った記憶がないのです・・・あんまんみたいな感じだったような・・・

★Kunka さん

コメントありがとうございます。映画化されましたよね。実は未見なのですが、原作は読みました。確か9人兄弟だったし、結婚してからは老いた義父母の世話もあったしで大変な人生だったみたいですよね。この本が話題になった頃は技術系の翻訳をしていました。NHKのドキュメンタリーでこの本が取り上げられて知り、ドイツの友達に頼んで送ってもらいました。今みたいにアマゾンがなかったので・・・。その頃からKunka さんはドイツ映画にお詳しかったんですね!

★まがりさん

おお~タイムリーですね。まがりさんがおっしゃるとおり、一家で大きな器を囲み、Vaterunser(主の祈り)をみんなで捧げてから食事をしたんだそうです。お父さんが最初に一口食べ、それを合図に子供たちも手を伸ばしたとか。貧しいけど一家の絆は強まるでしょうね。今は家族がバラバラに食事するのも珍しくないと聞きます。それぞれが個室で食べるとか。豊かになることで失うものもあるんですね・・・

投稿: ありちゅん | 2007年4月21日 (土) 20時11分

mihana さんからメールでいただいたコメント転記いたします♪

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ありちゅんさん

ダンプヌーデルン、マンハイムにいたころよく食べました! パン屋さんで普通に売っていましたが、白くてふんわりの優しい外見にもかかわらず、バターがかなり入っているんでしょうね、手で持っていると、手がベタベタになります。 なので、紙袋ではなく、ビニールにポ~ンと入れてくれた記憶があります。 しかも、かなりのボリューム。ほんの少ししか離れていないのに、シュツットガルトのパン屋さんでは見なかったです。 ここベルリンでも、そういえば見ないです。。 おいしいのに。

★mihana さんっ

コメントありがとうございま~♪ どうしてmihana さんのPCだと書き込めないんでしょうね。不思議・・・ご自身のブログにも書き込めないなんて、あんまりだーー ココログも何とかしてくれるといいのに。

ところでマンハイムでは売っていたんですね。やっぱり南部限定なのかしら。私がいたライン地方でも見たことありませんでした。バイエルンのほうに旅行すると、メンザで売っていたり、レストランで出されたりしました。こうした地方色が豊かなところも魅力なのですが・・・。ところでレシピを見ると、バターの量が半端じゃないです、見かけによらず。

投稿: mihana さん ⇔ ありちゅん | 2007年4月21日 (土) 20時53分

ちなみに今日のお昼はヌードル(でかまるもやし味噌・・・・とほほ。でも好き)でした~。

投稿: なすび | 2007年4月21日 (土) 21時31分

★なすびさん

でかまるもやし味噌?カップ麺ですか?今はいろいろ商品があるから、次から次へと知らないものが…。ちなみに我が家の夕食はスパゲッティでした。ハイ、ヌードル系です。

投稿: ありちゅん | 2007年4月21日 (土) 23時25分

こんにちは。
Dampfnudel、わたしの居たカールスルーエ近郊ではありましたよ。誰かが持ってきて食べさせてくれたような記憶があります。店で買ったことはありませんが、これは探さなかったせいで・・・

投稿: 樅の木 | 2007年4月22日 (日) 10時20分

Dampfnudeln、ドイツではクリスマス市なんかでも屋台がでますよね。オーストリアではGermknödelといって、スキー場などでは必ずといっていいほど見かけますし、友人宅では夕ご飯に出てきたりします。(実は夕飯に甘いものだけを食べる習慣は未だに慣れません。許せーん!)Mohnzuckerをかけて食べます。

これ、外見があんまんに激似なので、初めて見かけたとき、日本の食べ物が恋しかった私は即買ったのですが、一口食べたとたん、中からあんこではなくPflaumenmus(プルーンのゆるいジャムっぽいもの)が出てきてひどく悲しくなった覚えがあります。

投稿: なおこ | 2007年4月22日 (日) 22時04分

★樅の木さん

おはようございま~す。コメントありがとうございました。お礼が遅くなってすみません。やっぱり南部限定食品だったんですねーー上にも書いたのですが、ライン地方では見たことがなかった・・・スキーでオーストリアに行った際、なおこさんも書いてくださった「ゲルムクネーデル」に遭遇し、目が「・」。それから旅行の際、注意して見てみると、南部ではこの類が売られているのに気づきました。以前モミ様が教えてくださった、Butterbrezeln にいたっては、つい最近まで知らなかったんですよ~!所変われば味変わる・・。面白いですよね、さすが連邦国家。

★なおこさん

おはようございま~す♪コメントありがとうございます。ぐふふ、私もオーストリアのスキー場でゲルムクネーデル(しかも超デカかった!)に遭遇し、ソク買いました。ハイ、肉まんやあんまんに似ていることを期待してです。確かカスタードソースもかかってました。でもね、やっぱりお味は「???」。ま、中からごま餡とかが出てきたほうが驚いてたでしょうが(笑)でもね、上のコメントにも書いたのですが、スキー場で遭遇するまでは知らなかったんです、この類のイースト菓子に。私が気づかなかっただけなのかなぁ?いや、いやしい私が気づかないはずがない!!やっぱり北部ではめったに見かけないものだったのかしら。

投稿: ありちゅん | 2007年4月23日 (月) 07時07分

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