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2007年7月 2日 (月)

明治時代の辞書 その3 食べ物関係

 掘り出し物の辞書で色々な言葉を引いて遊んでしまいました。下にご紹介しますね。解説が極めて正確で感心しました。この辞書を編纂するにあたり、何かの辞書を参考にしたはずなのですが、何だったのでしょうね。英和辞典?獨獨辞典?パンや乳製品などは既に一般的となった日本語訳があったでしょうが、ドイツ特有のものでは編者さんも苦労したでしょうね。

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Brod:①麵包(パン) ②塊(麵包、砂糖、菓子等ノ) ③食物、糧食 ④活計 (Brot のところに、Brod ヲ見ヨ とありました。昔はこう書いたのかな?
日本洋菓子協会のサイト ← 「麵包」などの表記について書いてあります。

Brödchen:小巻麵包 (小さなパンをこう説明してありました。小巻ってカワイイ。)

Butter:牛酪、乳脂 (バターです。バターのことを昔は「酪」と言った、と聞いたことが。)

Butterbämme、Butterbemme、Butterschnitte、Butterbrod:牛酪ヲ塗リタル麺包ノ薄片 (スライスした黒パンにバターを塗ったものですね)

Buttermilch:酪漿、乳脂渣(牛酪ヲ分チ取リシ後ニ残ル乳汁)(バターを取ったあとの牛乳ですよね。漢字だけでも内容が分かる気がします)

Cognac:葡萄地酒(ブランデー)ノ一種。佛國(こんやつく)ニテ製ス故ニ名ヅク (コニャックの説明。正確ですよね。すごい!)

Eierfladen, Eierkuchen:鶏卵糕(オムレツ)、鶏卵菓子

Eis:①氷 ②氷乳 ③氷乳(アイスクリーム)、氷菓子

Kartoffel :馬鈴薯(ジャガタライモ) (ジャガタライモって・・・?と思って検索したら、「ジャガイモ」の正式名称(?)だったんですね。「ジャガタラ」はインドネシアのジャカルタの旧名だとか。詳しくはコチラを。)

Käse:乾酪、乳餅 (お乳のお餅ってなかなかいい説明ですよね)

Knödel:餛●(ムシモチ)、團子 (活字がつぶれていて、二つ目の漢字が判読できず)

Kuchen:菓子、餅

Krapfen:小麦粉に鶏卵、砂糖等加へ油煎セシ菓子、油煎餅 (いわゆる揚げパンです)

Lebkuchen:蜜入ノ菓子、●餅 (同じく一部判読できず。でもレープクーヘンを載せているなんてすごい!ちなみに Baumkuchen は載っていませんでした。獨逸では Lebkuchen ほどメジャーではないからでしょうね。)

Marmelade:砂糖煮ノ果物、糖果 (ジャムのことで~す)

Petersilie:旱芹菜(オランダゼリ) (パセリもそれほど一般的ではなかったんでしょうね)

Pfannkuchen:班戟(薄焼菓子ノ名)、薄餅、油煎餅 (パンケーキや、ベルリーナといった揚げパンのことですね。油煎餅って傑作)

Quark:牛乳皮、凝乳 (現代ですら知られていないクヴァルクが訳出されていて感心しました)

Rinderbraten:牛ノ燔肉

Sahne:乳酥(クリーム)、乳脂

Sauerkraut, Sauerkohl:漬菜 (正確ですね!)

Schinken:火腿(ハム)、臘乾(ラカン) (中国のハムを火腿とか臘乾と呼んでいたそうですが・・・)

Schokolate:楂古聿(チヨコレート)(「セヲブロマ、カカヲ」ト称スル植物ノ果實ヲ粉末シ之ニ肉桂砂糖等ヲ加ヘテ製シタル物、熱湯ニ溶カシテ用フ)、甘豆餅 (説明が正確ですよね。本当に感心します。ただ、「セヲブロマ」というのが「?」)

Stollen:菓子ノ名 (載せているだけ、すごいと思います)

Suppe:肉汁(ソップ)、煎汁、羹(アツモノ)

Torte:饅頭 (トルテが饅頭・・・)

Vanille:華尼拉(藥草ノ名) (この漢字は当て字でしょうか)

Wurst:臘腸(チャウヅメ)(細剉シタル食物ヲ腸内ニ充テタル食物) (「臘腸」とは中国の腸詰のことだそうです。本格的なソーセージが日本に入ってくる前の時代ですもんね。
以前もご紹介しましたが、ソーセージの伝来についてはコチラを。)
 

Zuckerplätzchen:糖煎餅 (クッキーのことです)

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「ドイツ語」カテゴリの記事

コメント

おもしろいですね。その2のオーケストラがお囃子とか大うけしちゃいました。トルテが饅頭とか苦労のあとが見えますね。それにしてもチョコレートの漢字初めて見ました!セヲブロマってカカオの木の学名Theobroma cacaoのことではないかしら?

投稿: ろこちゃん | 2007年7月 3日 (火) 23時16分

おみくじで遊んじゃった!

投稿: ろこちゃん@追伸 | 2007年7月 3日 (火) 23時21分

うーむ、すごーく面白い!

やっとネット難民から脱却しましたが、1.5メガくらいしか出てなくて遅い遅い。昔、ISDNの速さに感動したのがウソのようです。

投稿: なすび@おみくじ大吉!\(^o^)/ | 2007年7月 3日 (火) 23時25分

う〜ん、ピアノの Klavier は昔の辞書では Clavier なんですね。それからパンの Brot が Brod というのも面白いです。

オーケストラは御囃子ですか、う〜ん、まあ、大して変わらないかも知れませんが、我々は原則としてお神楽等はやりませんので・・・・・(^_^;)。

Krapfen は私の住んでいるところでは、揚げ菓子の中でも、丸くて中にジャムやカスタードが入った特定のものを指すように思います。つまり

http://de.wikipedia.org/wiki/Krapfen

の下の方の写真のやつです。早い話が Berliner のことなんですが、町の人達はなぜかこれを Krapfen と呼んでいます。

私はよく「Karpfen 鯉」と聞き間違えることがありましてね。Wiener Schnitzel みたいに、半身にパン粉を付けて油で揚げ焼きにする料理もありますので、注意しないと誤解してしまいます。

それにしてもどれを見てもすごいですね。

投稿: Hitoshi | 2007年7月 3日 (火) 23時51分

★ろこちゃんさん

カカヲの学名ってTheobroma cacao だったんですね!それで「セヲブロマ」。最初、「セチブロマ」かと思ってしまったのですが、よくよく見ると「ヲ」だったのです。わーありがとうございます!さすがろこちゃんさん。何だかスッキリ。チョコレートの漢字、最初のは木偏に「査」なのですが、手偏に見えてしまいますよね。木偏です。手書きパッドで探し出しました~ かしわもちのおみくじ、私も遊びました~気づいてくださり、嬉しい♪

★なすびさん

おみくじ大吉?私なんて、いきなり大凶でした。で、気を取り直してもう一度引いたら今度は凶。なめとんのかーーーと引きまくって、ようやく吉が出ました。毎日のように見ている「吉」なのですが、こんなに出にくいとは・・・!私ったらやっぱり幸薄いのね。

★Hitoshiさん

コメントありがとうございます~。Berliner Pfannkuchen、地域によって名前が違うんですよね。Berlin では Berliner Pfannkuchen と言わないとか。チョコレートやパン、クッキーなどは当時すでに定着しつつあったでしょうが、Krapfen とか Stollen、Quark などのマイナーな言葉まで載っていたのには驚きました。編者さんの苦心が見て取れますよね。中には見たこともないものもあったでしょうに、正確に訳されているのには脱帽です。

投稿: ありちゅん | 2007年7月 4日 (水) 08時25分

★Hitoshiさん

あっという間に送信されてしまいました~

コイって獨逸ではあまり食べたことがなかったのですが、そういう調理法もあるんですね。うちにあるレシピ本には、Karpfen,Blau とかいうのが載っています。蒸したのか、煮たのかよく分からないのですが(気持ち悪くて実はレシピをよく見ていません)仕上がりが青いんです・・・コイは泥臭いという偏見があり、ついつい敬遠してしまって・・・惜しいことをしました。

投稿: ありちゅん | 2007年7月 4日 (水) 08時29分

ああ、要するに「ブルー煮」ってやつですね。我が家では作ったことないんですけど、鱒 Forelle でもやるみたいです。

やり方は、タマネギ、粒コショウ、月桂樹の葉などを煮立て、そこに下ごしらえした鱒とか鯉を丸のまま入れ、今度は火を弱めて、煮沸しないように注意しつつ、煮汁をかけながら煮るようです。ぐつぐつ煮立てると身が壊れるらしいです。

出来上がりは元の形をそのままとどめているので、気持ち悪いと言えば悪いんじゃないかと思いますね。でも出来るだけそういう風に作るのがブルー煮です。

個人的には鱒はバーベキューの時に炭火で焼き、大根おろし醤油で食べるのが好きで、鯉は全く食べる気がしません。日本の鯉なら「あらい」が好きですが・・・。

投稿: Hitoshi | 2007年7月 5日 (木) 01時58分

★Hitoshiさん

コメントいつもありがとうございます♪ ブルー煮っていうんですね。なぜあんなに青くなるんでしょう・・・?ホント、沼から出てきたまんまの格好をしているので、ちょっとヒキます。川魚や沼の魚は泥臭い、というイメージがありますよね。薬味を利かせるとか、炭火で香りをつけるとかしたほうが食べやすいような気がします。私がドイツの魚で好きだったのは、Schillerlocken という、くるくる巻いた魚の燻製。ホームステイでお世話になったご家庭は敬虔なクリスチャンでしたので、金曜日は必ずお魚でした。あと、マクレレの燻製も。サバは好きなので、燻製も「あら、おいしい♪」と思いました。懐かしいなぁ。食べたいです。

投稿: ありちゅん | 2007年7月 5日 (木) 16時51分

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