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2007年8月27日 (月)

Hamstern (買いだめ、買い出し)

P8040034 いつも親切にしていただいているバンケンさんが拙宅の記事ハムスター夫人、恥を知りなさいでコメントを寄せてくださいました。昨夜以来、私の頭の中でハムスターが回し車をくるくるくるくるくるくる…

 ご存じの方も多いと思いますが、買い占めや買いだめ、買い出しすることを hamstern といい、電車などで農家まで買い出し(物々交換ですから「買い出し」って言うのかしら)に行くことを Hamsterfahrt と言います。バンケンさんが書いてくださったおかげで興味がわき、検索しちゃいました。

Hamsterfahrt:言葉自体は戦前からあった模様ですが、食料などの調達のために田舎に行く行為が頻繁になったのは終戦直後だそうです。特に都会の食糧事情がひっ迫していたようですね。暖房用の燃料も不足しており、貨物列車から石炭を盗む人もあとを絶たなかったとか。ドイツの冬は寒いしなぁ・・・。洋服や貴重品(宝飾品、高級じゅうたん、マイセンなどの高級食器、カメラ、高級時計など)を持って満員列車に乗り込み、農家へ行ってはジャガイモやバター、ベーコンと取り替えてもらうというタケノコ生活を余儀なくされていたようですね。農家の人たちも足元を見たわけではなかったのでしょうが(いや、足元を見たひともいたかも・・・)交換比率はよくなかったとのこと。皮肉を込めて「Perserteppich im Kuhstall(牛小屋にペルシャじゅうたん)」と陰口をたたいたそうな。「Die Bauern legen ihre Kuhställe mit Perserteppichen aus und essen schon wochentags von Meissner Porzellan(農家の人たちは牛小屋にペルシャじゅうたんを敷き、ウィークデーでもマイセン陶器で食事をしている)」という記述も見つけました。

 もう一つ興味深い言葉を発見。ご存じの方もいらっしゃると思いますが、私は知らなかったのでご紹介しちゃいます。fringsen。ケルンのフリングス大司教から派生した動詞だそうで、独和大辞典には「生きるためにやむを得ず法を犯す」とあります。具体的には、「食糧や石炭がなくなってどうしようもなくなったら、生きながらえるためには盗むのもまたやむなし」という意味のようです。ヨーゼフ・フリングス大司教が1946年の大みそかに行った説教が元になっているのですが、ウィキペディアによると、フリングスは「やむなし」と言ったあとに「しかし多くの場合は行きすぎであり、盗んだものをすみやかに返さない限り神の許しは得られない」と言ったそうなのですが、この部分は無視(!)されてしまい、「困って食糧や暖房用の燃料を盗む」イコール fringsen となってしまった模様。大司教は「そ、そんなつもりで言ったんじゃ・・・」と困ったことでしょう。

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「ドイツ史がらみのこと」カテゴリの記事

コメント

少しずつ暑さも和らいでくるのでしょうか…ありちゅんさん、更新お疲れ様です、絶好調ってかんじかしら、読み応えのある記事をいつもありがとうございます。これからずーっとおうちにいるので、読ませていただきますねっ。寝不足でいつもあたまパーかもしれませんが。
fringsenって例の三島さんの「戦後ドイツ」にも出てきませんでしたっけ?(手元にないのでうろおぼえ)。
このヘんのこと、私も興味あるなあ・・・またいろいろ教えてくださいねっ。
spatz@immer sehr muede....

投稿: spatz | 2007年8月27日 (月) 22時24分

★シュパちん

はりはろ~♪ 元気ですか?8月も最後の週に入りましたね~。猛暑も峠を越えたような気がしますが、これから涼しくなるのかしら・・・?お忙しいときにコメントありがとうございました。もしかして、gerade am Stillen?

えっ 三島さんの「戦後ドイツ」にfringsen が出てくる・・・!?!実はRote Armee 前後から入ったので、本を読む順番がめちゃくちゃなのです。で、冒頭部分はまだ読んでなかった…!慌てて開いてみたところ、最初にすぐ出てきました。ウカツ。終戦直後の混乱期についても出ていましたね。これから読もうっと。Frings枢機卿に関してWikiに出ていたのを貼り付けますね。
========(Wikiより引用)========

Frings wurde mit dem Wort „fringsen“ für „Mundraub“ in der kölschen Sprache verewigt. Der Begriff geht zurück auf seine am 31. Dezember 1946 in der St. Engelbert Kirche in Köln-Riehl gehaltene Silvesterpredigt, in der er mit Bezug auf die Plünderungen von Kohlenzügen und die schlechte Versorgungslage in einem grimmigen Winter ausführte:

„Wir leben in Zeiten, da in der Not auch der einzelne das wird nehmen dürfen, was er zur Erhaltung seines Lebens und seiner Gesundheit notwendig hat, wenn er es auf andere Weise, durch seine Arbeit oder durch Bitten, nicht erlangen kann.“

Danach nannte man in Köln und der weitern Umgebung das „Organisieren“ von Lebensmitteln und Heizstoffen „fringsen“ (mit weichem „s“ gesprochen), dazu auch siehe Kohlenklau. Der nächste Satz der Predigt

„Aber ich glaube, dass in vielen Fällen weit darüber hinausgegangen worden ist. Und da gibt es nur einen Weg: unverzüglich unrechtes Gut zurückgeben, sonst gibt es keine Verzeihung bei Gott.“

wurde dabei oft nicht wahrgenommen.

==================================

Frings 関連の記事を検索すると、「盗む行為を容認した」的な記述が目立つんだけど、Wikiを読む限り、Fringsさんは必ずしも容認したわけではなさそうなんだけど…。どうなんでしょ?

投稿: ありちゅん | 2007年8月27日 (月) 22時52分

ありちゅんさん、「今日は!」です。

縦横無尽にドイツ語引用例が出てきて、まるで、昔、ドイツ語を勉強していた時の先生のようです(笑)。

あー、もっとまじめにドイツ語やっていればよかった(って、大学生の時の第二外国語は自分の趣味より、当時田中角栄による日中国交回復のあおりで、「これからは絶対中国語だ!」と短絡的に考えて中国語を取ったのが悔やまれます。-年がばれるードイツ語は社会人になってから勉強したのですがちっとも身についていない・・・。)

日本でも「西陣織の着物を米に変えてもらう」ために農家に行ったり(たいてい、泣く泣く意を決した主人公に農家の人がつらくあたる)するドラマなんかありますね。
ドイツも日本も戦後の混乱+(特にドイツは)連合軍の爆撃が兵站組織を破壊する目的で鉄道(線路・駅・機関車)を目の敵にしたため、地方⇔都市の流通が破綻していたのでしょうね。物があっても人口の多い都市部に行き渡らない。

それにしても何故ドイツ語のハムスターが世界共通語になったのか理由がわかりませんね。ドイツに1930年代に渡る前にイギリスでなんと呼ばれていたのかわかればいいのですが・・・くるくるくるくるくるくる…


投稿: バンケン | 2007年8月28日 (火) 13時22分

>gerade am Stillen?
jawohl!
ときどきパソコンの前にまで連れてきてStillenしちゃう。電磁波とか危ないかな?

ところで、素朴な疑問(もしくはあほな質問?)なんですが、なんで schaeme dich なんでしょか。だって別に盗んでくるわけじゃないじゃないですか、こういう過酷な状況で買出し買いだめ、って心理ってあって不思議じゃないと思うんですけれど・・・・このポスターのほんとに意図するところは、なんなんだろう?

それからfringsenやっぱり出ていた?でもさらっと書かれているだけでしょう、きっと。私が前にごちゃごちゃこの本について書いたのは、例えばこういうような話題の場合、いろんな細かいことが結構あの本には書かれているんだけれど、やっぱり紙面の関係やその他で深くつっこまれてはいないんですよね、浅いというと語弊はあるけど、詳しくはほかで調べよ、って感じで。でも、私多分この単語あの本で覚えたんだろう、と思います。。

今日から涼しくなるんじゃなかったっけ!!?まだ暑いんですけどっ。

投稿: spatz | 2007年8月28日 (火) 14時59分

★バンケンさん

こんにちは~。昨日はコメントをありがとうございました。昨日~今日にかけて急ぎのお仕事で火を噴きながら机に向かっており、お返事が遅くなってすみません。

くるくるくるくるくるくるくる・・・・

バンケンさんの頭の中でも回ってます?昔はゴールデンハムスターくらいしか見かけませんでしたが、今はいろいろいますよね。ジャンガリアン、ロボロフスキー、キンクマ…どれもカワイイです。ハムスターやHamstern の由来などについてはまた改めて調べてみますね。こうした語学系の調べ物はとっても好きです。

ところで検索してさまざまなサイトを読んでみますと、ドイツではこうした買い出しを禁じていたらしく、苦労して食糧を手にいれても見つかると没収された、とありました。どうして禁止だったのでしょう?物々交換は好ましくないからでしょうか…?

子供のころに読んだ「はだしのゲン」では、確か交換してもらった農作物を取り上げられてしまったような記憶が…。日本でも禁止されていたのでしょうか?日本の場合はお母さんの着物をお米に換えるというのが定番でしたよね(たぶん)。ドイツだとやっぱりジャガイモやバターなんですね。高価なペルシャじゅうたんはとりわけ喜ばれたとかで、上のような言葉ができたのでしょうね。

★シュパちん

バンケンさんへのお礼コメントでも書いたんだけど、HamsterfahrtとかHamsternって禁止されていたらしいのです。でもどうしてかなぁ~。飢えて死ねとでも言うのでしょうか~!Hamstern の意味に1)買いだめする2)買い出しにいく とあって、あのポスターは1番の「買いだめ」でしょうね。少ない食糧はみなで分け合って、という意味なのかしら。配給制だったんじゃないのかな~。よーわかりません。どなたかお詳しい方、ご覧になっていましたらご教示くださいませ。

今日は久しぶりにクーラーをつけずに過ごせますね。やっぱり自然の風がいいな~。

投稿: ありちゅん | 2007年8月29日 (水) 15時19分

>どなたかお詳しい方、ご覧になっていましたらご教示くださいませ。

わたしからもbitte------(他力本願)

今日(というか昨日)は朝から予報どおり雨。午前中は時にどしゃぶり。過ごしやすい日でしたね。でも洗濯物がしばらく干せそうも無いっていうのはちょっと困り者だけど。秋の気配。。。

投稿: spatz | 2007年8月30日 (木) 00時43分

ありちゅんさん♪

お久しぶりです! 夏休みを頂、日本に帰国しておりました~! 昨日のよるベルリンに帰ってきました。明日からまた忙しい日々です。 それにしても、今年の日本は猛暑でしたよね・・38度なんて普通でした・・。

「買う」という行動にも性格って出ますよね。なくなりそうになったら買う人。なくならないように事前に2,3個買いだめてある人。なくなってから買う人。なくなっているのに、それでも買い忘れて、しばらくない状態が続く人・・。 

また遊びにきま~す!

投稿: mihana | 2007年8月30日 (木) 16時30分

★シュパちん

ホント、どうしてHamsterfahrtは禁止だったのかしら???インフレと関係あるかな~。ブツブツ交換は貨幣経済を無視しちょる!けしからんっ!といったことでしょうか。

秋の気配ですね。栗ごはんが食べたい…
焼き芋ちゃんが美味しい季節です…
お隣はまた七輪でサンマを焼くのだろうか…(モロ煙が私の仕事部屋に入ってくるのです。仕事にならにゃい)


★mihana さんっ

わーい♪ ご無沙汰しています~。日本に帰ってらしたんですね。mihana さんのブログは毎日覗きに行ってたんですよーー。一番暑いころに帰阪(大阪だよね?)なさったんですね。昨日くらいから日本は涼しくなりました。なんだかお気の毒。でも美味しいものをたくさん食べて元気になってまたベルリンへ戻られたことと思います。また遊びに来てくださいね~♪ 私も行きます!

投稿: ありちゅん | 2007年8月30日 (木) 17時00分

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