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2007年11月 2日 (金)

ドイツのコーヒー その2 (フリードリヒ大王の時代)

 そもそも人間がコーヒーを飲むようになったのっていつからなんだろう?と、ソボクな疑問が湧いてきたので、またまた検索したところ、面白いサイトを見つけてしまいました。「全日本コーヒー協会」のサイトなので信頼できると思います。

コーヒー年表 (全日本コーヒー協会のHPから)

 これによると、コーヒーがドイツ(プロイセンのことかな?ハンザ都市でもコーヒーの交易が始まった、と聞きましたが)に伝わったのは 1670年ごろとなっています。昨日ご紹介したコーヒー展示会のサイト(コチラ)では、「ベルリンに伝わったのが1680年ごろ」ということですので、多少誤差はありますが、ほぼ合っていますね。

 コーヒーは当初、富裕層にのみ許されていた贅沢だったそうです。ところが18世紀に入り、その消費量は拡大の一途をたどります。1734年にはバッハが「コーヒー・カンタータ」を発表、自ら指揮をしてカフェで披露したんだそうな。よっぽど好きだったんでしょうね♪ フリードリヒ大王(1712~1786)統治下のプロイセンではコーヒー豆の輸入が増えるにつれて貿易不均衡が心配されるようになったため、大王は1777年、コーヒー豆に高い関税を課し、輸入を抑えようとします。さらに1781年には豆の焙煎を国が独占するようになり、生の豆の販売を禁止したそうです。展示会サイトによりますと、隠れて焙煎する者を見つけるため、大王が導入したのが「Kaffeeriecher」。直訳すると「コーヒーの香りを嗅ぐ人」。あちこちでくんくんひくひく。コーヒーを焙煎する匂いを嗅ぎつけると、その人物を厳しく罰したんだそうです。何となく笑える話ですな。この「くんくんひくひく係」、400名の Invaliden から成ったそうですが、Invaliden は傷病兵という解釈で合っているのかしら。戦場で働けなくても、不法に焙煎する不届き者を見つけることで手柄を立てよ~!ってことかなぁ。 焙煎を禁じるおふれ

 こうした措置により、コーヒーの価格は高騰。庶民は代わりのコーヒーを飲まざるをえなくなりました。「ちぇっ」と思ったでしょうね。いわゆる「代用コーヒー」は、ここで発達したんだそうです~~~。以前、少しだけブログでも書かせていただきましたが、この代用コーヒーは戦時中や旧東ドイツで多く飲まれましたよね。様々な材料で作られていたんだそうですが、有名なのがチコリやタンポポの根っこ、そして麦芽。そのほかにもどんぐりなどの木の実や穀物が試されたんだそうです。本物のコーヒーの消費が代用コーヒーのそれを追い抜いたのは、1950年代に入ってからなんだそうです。1930年代の麦芽コーヒーのポスター カワイイ。

 Kaffeeriecher や高い関税は大王の死後に廃止されたんだそうですが、さすが大王。コーヒーの歴史にも名を残す・・というか、いろいろやってたんですね。Kaffeeriecher はケッサク。

 11月12日追記:フリードリヒ大王は、ジャガイモの栽培を奨励したことでも知られていますよね。結構、強引だったみたいです。どんな風だったかというと・・・ → あむさんのブログへGo! 美味しそうなジャガイモグラタンも食べられますよ~(^m^)

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「ドイツの食品」カテゴリの記事

コメント

ありちゅんさん、ご無沙汰しています。

少し古くなりましたが、臼井隆一郎さんの『コーヒーが廻り世界史が迴る』(中公新書、1992)が面白いです。

あと、Tschibo は妙な雑貨商売をやっているでしょう? あれが、中国製のパクり製品を使っているらしくて問題になっているという記事が一年前くらいの Zeit にありました。

投稿: takuya | 2007年11月 2日 (金) 11時01分

な、なつかしい。Tchiboという響きが懐かしい!でも私はいつもスーパーでJacobsのコーヒーを買ってました。ドイツ人はコーヒーが好きって最初はあまりわからなかったですけど、ちょくちょくおうちに招かれているとだいたいのおうちの台所には大きなコーヒーを作る機械があってコーヒーを入れてくれました。日本じゃこんなのお店にしか置いてないよなあと思う代物です。でもそういう物を嫌うドイツ人もいましたけど。

私は鼻がとてもいいのでその「くんくんひくひく係り」になれるかも。妊婦の時はだんなさんのヒゲのにおいがつらいと言うと、「ヒゲににおいなんてあるの?」とびっくりされました。(笑)

投稿: みみ | 2007年11月 2日 (金) 13時21分

★takuya さん

こんにちは。コメントありがとうございます。面白そうな本も紹介してくださり、ありがとうございます。リンクしました展示会のサイトには、

Kaffee - das zweitwichtigste legale Welthandelsprodukt nach Erdöl

・・・とありました。合法的なものでは、石油に次いで重要な交易品、とあってビックリ。そのくらい世界で必要とされているってことでしょうか。ちなみに違法な交易品って何でしょう?ドラッグだったりして・・・。

Tchibo は、ドイツに旅行なさった方なら誰でも一度は入ったことがあるんじゃないかってくらいメジャーですよね。今回、HPを見てビックリしました。Tchibo-Holdingsとかいう会社が出来ていて、その下に様々な会社があるんです・・。バイヤースドルフもチボーの傘下に入ったみたいで驚いてしまいました。中国製のパクリ製品を扱っていた、というニュースは知らなかったのですが、これだけ巨大化しますと問題も多いでしょうね。お金にものを言わせてどんどん買収していくのってドイツになじむんでしょうか・・?アメリカ的だな、という気がしますが・・・。

★みみさん

こんにちは~。コメントありがとうございます。私もよくJacobs の粉コーヒー、Krönung を買っていました。ドイツ人ってコーヒーが好きですよね。紅茶がなぜかあんまり美味しくない代わりにコーヒーが美味しい・・・。コーヒーに特大自家製ケーキ(しかも数種類)を用意しておしゃべりするKaffeeklatsch ってドイツ人らしいな~と思います。チボーやエドゥッショはドトールっぽいコーヒーショップ、ヤコブスやHAG はUCCっぽいコーヒーのメーカーってイメージがありますよね。

投稿: ありちゅん | 2007年11月 2日 (金) 18時05分

コーヒーカンタータ、聴きたい♪
探してみよう~っと。
私はコーヒーなしには生きていけないと本気で思っているので、禁止されている時代に生まれなくてよかったです。

それにしても、コーヒーの歴史、とても面白いですね。くんくんひくひくは私、得意かも。

投稿: まがり | 2007年11月 2日 (金) 18時46分

★まがりさん~

コメントありがとうございます。まがりさんもコーヒーお好きなんですね!私もコーヒー無しでは生きていけないクチです。すごーく疲れたとき、コーヒーを飲みながらチョコレート(ミルカ♡)を食べるとすっごく幸せになれます♪ あ~禁止されてなくてよかった♪

ところでKaffeeriecher って笑えますよね。コーヒーを焙煎すると、すごーく香りますよね。隠れて焙煎したって絶対にバレバレ。こっそりローストするのは至難の業だったんじゃないかと思います。

投稿: ありちゅん | 2007年11月 3日 (土) 00時01分

コーヒーって香りが良いし、嫌いじゃないんですが、どうも胃腸との相性が良くないようなので、私は普段はほとんど飲みません。

私の勤め先では、ルーキーが先輩・上司のお茶を入れるという習慣がありまして、私も昔は毎日、紅茶だのコーヒーだのをせっせと入れていました。そんなある夏の日、麦茶を途中まで入れたところ、そのマグはコーヒー好きの上司のものだと気づきました。そこで、途中から水を入れて、それにインスタントコーヒーを溶かして出したところ、「こんなにうまいインスタントは飲んだことないぞ! どうやったんだ」と絶賛されることしきり。「麦茶を間違って入れたんですが捨てるのももったいないし、作り直すのも面倒だったのでそのまま出しました」とは口が裂けても言えませんでした。今から思うと、代用コーヒーってあんな感じなのかしら。でも、東側のって、もっとひどいものだったんでしょうが。

そうはそうと、Invalideって「廃兵」のことでしょうか。もしそうであれば、ナポレオンの棺が置かれているパリの「廃兵院」のそれと同じ意味です。戦闘などで身体障害者となってしまったために、兵士としてはもう役に立たない軍人ということで、退役傷痍軍人とほとんど同義です。昔は日本でも廃兵と呼ばれていましたが、「廃人」同様、イメージが悪いので「傷兵」と変えられました。「傷病兵」だと、単に一時的に軍務を離れるだけとも取れますので、訳出の際は注意が必要かもしれません。

以上、廃人同様のU99より。ではまた。

投稿: U99 | 2007年11月 3日 (土) 16時57分

★U99さん

笑ってしまいました~。上司の方、きっと「んっ?今日のコーヒーはコクがあって美味い!」と思われたのかもしれませんね。日本に遊びに来てくれたドイツ人に麦茶を出したところ、「あれ?これはKinderkaffeeだわ~」と言って砂糖やミルクを入れようとしたのにビックリしたことがあります。日本の麦茶って代用コーヒーや子供用のコーヒーに近いんでしょうね。お茶くみは私もたくさんやりました。Mädchen für alles だったもので・・・。

ところでInvalide の件、ありがとうございました~。「傷病兵」としたものの何となく腑に落ちなかったので、記事上で「誰かが教えてくれるかも・・・」と期待しながら書いていたのです。教えてくださり、ありがとうございました。辞書には「傷痍軍人」という訳も載っていました。私は傷痍軍人イコール傷病兵かと思っていたのですが、廃兵だと意味が違ってくるんですね・・・目からウロコです。

「傷痍軍人」で思い出したのですが、私が子供の頃(つまりU99さんもU99少年だった頃)、手足を失ってしまわれた元軍人さんの姿を見た記憶があります。たいてい2人1組で、片方の人がアコーディオンなどで悲しい曲を流していたような・・・。あまりにショッキングだったので、父親に「あの人は?」と聞いたところ、父が「しょういぐんじんだよ」と教えてくれたのですが、あの「しょうい」って「傷痍」だったんですね・・・昭和40年代も後半の頃でしょか。だとすると戦後20年以上経っていたはずなのでヘンですよね・・・私の記憶違いかしら。いや、絶対に見たはずだ~~

投稿: ありちゅん@コクが出たのかも・・・ | 2007年11月 3日 (土) 19時33分

★U99さん

すみません、上のコメントの訂正です。私ったら「退役」を抜かして書いてしまいました。「退役傷痍軍人」と「傷痍軍人」ですと、また意味が微妙に違ってきそうですね。「傷痍軍人」だけですと、「廃兵」ではなく、むしろ傷病兵という意味になってしまうのでしょうか。

どういう訳語を当てはめるかという問題、本当に難しいですね。とある戦争映画にTerrorist という言葉が出てきて、私は何も考えずに「テロリスト」という訳語を当ててしまいました。確か「ソ連兵ってみんなテロリストよ!」とドイツ女性が言うせりふだったと思います。それをご覧になったお客様が「テロリストって訳語、当時からあったのだろうか」と映画評に書いていらしたのを読んでドキっとしてしまいました。一昨日見た「ブラックブック」では、シチュエーションは違いますが、やはりTerrorist という言葉が出てきました。翻訳者さんは「テロリスト」とは訳さず、「抵抗分子」と訳していらして(レジスタンスを指す意味で使われていましたので)さすが!と思った次第です。1語1語に気を配って訳さないといけないと改めて思い直しました・・・。まったく汗顔の至り。

投稿: ありちゅん@すみません、訂正です | 2007年11月 4日 (日) 08時43分

「傷痍軍人」には、いまだ軍籍にある負傷兵と、負傷して軍籍を解かれた元軍人という二つの意味があると思います。本当は「傷痍元軍人」という単語があればいいのですが、それはありません。ですから、「退役」を付けなくとも間違いとはいえないでしょう。そもそも、Invalideとかdisabledって訳しにくい単語ですよね。それだけで差別的な響きがありますから。

私も、新宿の東口から西口に通じる線路下通路で「傷痍軍人」がアコーディオンを弾いていたのを何度も見ています。でも年齢的に若すぎ。もちろん本物もいたのでしょうが、中にはフリをして同情をかっていた人もいたようです。さすがに今はいませんね(笑)。

ドイツ人には麦茶がコーヒーのように感じられるというのは面白いですね。あの味が夏という季節に結びつき、その思い出の味でもある、なんて彼らには分からないだろうなぁ。

テロリストという単語の使い方も勉強になりました。ちょっと話がずれますが、今から10年ほど前、ペルーの日本大使公邸がテロ組織に占拠された時、フジの安藤優子さんが日本風に「ゲリラ」と呼んでいたら、「なんで奴らがゲリラなんだ。テロリストじゃないか」と現地人から指摘されたと言われていました。このあたりの使い分けも日本人の語感とちょっとずれていますし、そういった部分も訳者には悩ましいということでしょうね。最近は、「ゲリラ」という単語は国内の左翼過激派による事件以外を指すことはないようですが。

投稿: U99 | 2007年11月 4日 (日) 10時25分

★U99さん

コメントありがとうございます。私が「しょういぐんじん」を見たのも新宿の西口から東口へ抜けるあの通路でした~!昔は犬屋さんがありましたよね。あの通路、今でもあるのでしょうか…。新宿へはよく行きますが、通路は久しく通ってなかった…。

「テロリスト」や「ゲリラ」のお話、ありがとうございます。外来語ですと余計にややこしくなることがありますよね。日本語の中で定着していくうちに、本来の意味と違ってきてしまうことがありますもんね。おっしゃるとおり、「ゲリラ」と聞くと過激な左翼ゲリラに限定されつつありますし。「テロリスト」にしてもしかり。9.11の影響もあると思いますが、「テロリスト」と聞くと今の日本人はそっちの方向を連想してしまいそう。戦争時代の話にあまりにも新しい訳語をつけると、見る人(読む人)によっては違和感を覚えてしまいますよね。肝に銘じて訳さないと、と思った次第です。

 以前ちょこっと記事でも書いたのですが、聖書に出てくる Palme を昔の日本人が「棕櫚(シュロ)」と訳したと知って、思わず「むむっ」と唸ってしまったことがあります。今なら誰もがPalme と聞けば「椰子」を連想するでしょうが、昔の日本人にとって椰子なんて想像もつかなかったんでしょう。唯一日本に生えている南国っぽい木といえば棕櫚でしたもんね。

…すみません、話がそれました。日本語も難しいです…

投稿: ありちゅん | 2007年11月 4日 (日) 13時23分

傷痍軍人さんの姿、やはり昭和40年代でも見られたんですね。

http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1011167770

私の記憶違いではなかったんだ…。

投稿: ありちゅん@昭和は遠くなりにけり | 2007年11月 5日 (月) 12時09分

やっぱりコーヒーにミルカですよねっ!!
嗅ぐ係りを作ったってところ、ドイツらしいと思ってしまいました。なんか、SバーンやUバーンなどの検察係りもそんなかんじ。(他の国にもいるけど・・・)。
ドイツのコーヒー、好きでした~(そりゃウィーンのほうが何倍もおいしいのですが)。朝、デカいポットにたっぷり作って学校に持っていって一日飲んでましたな~。カカオが違うのかな?

投稿: あむ@病み上がり | 2007年11月 6日 (火) 20時47分

★あむぴょん

お風邪、大丈夫ですか? インフルエンザが流行り始めているそうですから、くれぐれもお大事にね~♡

そんな中、コメントありがとうございます。私もコーヒーが好きで困っています(困ることじゃないけど)何とかしてくれ~。

ところでKaffeeriecher。あむぴょんが言うとおり、この才能は無賃乗車した輩をを嗅ぎつける係の人たちの才能と同じですね。私はちゃんとMonatskarte を持っていましたが、それでもドキっとしましたもんね。“Fahrkartenkontrolle! Ihre Fahrkarte bitte.”とか言って回るんじゃなかったかしら。あ~ もう一度ドキっとしたいよ~~

…話がそれましたが、フランスやイタリアの深煎りコーヒーも大好き…。カフェなどの雰囲気も味のうち、ということで、ヨーロッパの素敵なカフェで飲むから余計美味しく感じられるのかもしれませんね。あ~~もう一度ヨーロッパのカフェで飲みたいよ~~

投稿: ありちゅん | 2007年11月 6日 (火) 23時25分

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